はじめに

建築工事では構造の品質管理は非常に重要です。木造住宅でも当然ながら耐震設計や耐風設計は重要であります。

ただし、高品質な構造とするには、さらにその材料についても注意をする必要があります。木材ならどこに何を使っても良いという訳ではなく、部位ごとに適した材料があります。木材の適材適所ということです。

まず、建築基準法では、品質に関する規定があります。

建築基準法第37条(建築材料の品質)
建築物の基礎、主要構造部、その他安全上、防火上又は衛生上重要である部分に使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料は、
JIS(日本工業規格)に適合するもの
JAS(日本農林規格)に適合するもの
国土交通大臣の認定を受けたもの
と規定があるのです。

加工品としての木材製品は、加工の仕方によってJASかJISの規格に別れます。木材を板状に加工したものを貼合せた製はJAS規格となり、細かく粉砕加工し成型した製品はJIS規格となります。

要は、建物の大事な部分には一定の基準をクリアした品質の材料をつかいましょう、ということです。

これが最低基準となります。しかし、法的な基準はこれだけしかないため、建築基準法に適合するだけでは品質の良い住宅を造ることはできません。

木材の種類

木材には様々な樹種がありますが、構造材に適した樹種、造作材に適した樹種があります。

木材は全ての部位に品質の優れた樹種を使うことができれば言うことはないのですが、コストを考慮して外国産木材や集成材を取り入れることが多くなります。

ただし、耐久性が必要とされる土台などは菌、害虫、水湿といったものに強い材料を選ぶ必要があります。

国産針葉樹の種類

■スギ
戦後の植林により供給量は多く、ブランド杉を除いては安価な部類に入ります。
比較的狂いは少なく、柔らかく加工しやすいことから、構造材や造作材にも多く使用されていますが、耐久性はそれほど高くありません。特有の芳香を楽しめる材料でもあります。
使用部位⇒母屋、柱、天井板、床板、造作

■ヒノキ
耐久性に優れ、菌やシロアリ、水湿にも強いため昔から住宅建築に多く使用されてきました。
伐採後から強度が増して、100年以上もつ木材として有名です。成長が遅いため比較的高価な部類となります。
使用部位⇒土台、天井板、欄間、敷居、長押、縁板

■ツガ(トガ)
硬く、まっすぐな木目柱、
重硬で耐久性がありますが、硬さのため加工性はあまり良くはありません。
使用部位⇒土台、根太、床柱、天井板、敷居、鴨居

■赤松
松脂(マツヤニ)を多く含むため、水に強いことが特徴です。ヤニを含むことから手を触れない梁や敷居の摩擦部にも使用されます。
木目の鮮明さから、造作材としてもよく使用される材です。比較的安価な材料です。
使用部位⇒梁、敷居、床板

■ヒバ(アテ)
比較的安価な材ですが、菌や水湿、シロアリに対する耐性が強いのが特徴です。
使用部位⇒土台、柱、軒周り、ぬれ縁

外国産木材の種類

■米ツガ( ヘムロック )
国産のスギと同様の使い方をします。加工性がよく仕上がり面が綺麗ですが、割れやすい材でもあります。耐久性は低いため水分の多い所では腐りやすいです。
使用部位⇒柱、梁、造作材

■米ヒバ(イエローシーダー)
比較的軽く柔らかいため加工性が良いです。耐久性にも優れ、特に水湿に強い材です。
使用部位⇒土台、床板、建具、水周り、外装、軒裏

■米マツ(ダグラスファー)
北米材では最も輸入量が多い材で、赤松の代替とされますが、日本のマツと同属ではなく、トガサワラの属に類します。
硬い材ですが加工性は比較的よく、狂いも少ないです。赤松と同様に樹脂が多いため触れる部位には使用しません。
使用部位⇒梁、建具、合板

■スプルース(ベイトウヒ)
北米産の材で比較的多く輸入されており、日本のエゾマツと似た材質です。軽軟で乾燥や加工もしやすく扱いやすい材です。表面の仕上がりも綺麗です。マツ科特有の樹脂も少なく、無味無臭の良材ですが耐久性はあまりありません。
使用部位⇒柱、造作材、建具

■ホワイトウッド(ドイツトウヒ)
北米産のスプルース類の代替材でドイツトウヒやヨーロッパスプルースといった北欧産のマツ科の総称です。節が目立たず、安価で加工性の良さから扱いやすい材料ですが、水湿に弱く耐久性が少ないためシロアリに注意が必要です。
使用部位⇒柱、梁、建具、下地材、造作材

国産広葉樹の種類

■ケヤキ
木目の美しさや強靭性、耐久性が優れた材です。
その硬さと狂いが生じることから、扱いにくく高い加工技術が必要な材といえます。
美しい木目を持つことから人気がありますが、量が少なく高価な部類となります。
使用部位⇒大黒柱、床の間

■クリ
重硬で耐久性や耐水性、虫の害にも強いことが特徴です。昔から土台に使用されてきた材です。近年は量が少ないため高価な部類となります。
使用部位⇒土台、ぬれ縁、上がり框、床柱

■ブナ
比較的安価な部類です。
硬くて粘りがあり曲げに強いという特徴があるため、集成材のフローリングに使用されることもあります。耐久性はあまりなく狂いが出やすい面があります。
使用部位⇒床板、造作材

木材の等級(慣用的等級)

木材には節(ふし)の有無や多さといった見た目により、無節、上小節、小節、特等、特一等、一等材、二等材といった区分があります。

全く節のないものが無節とし、等級が下がる事に節が増えることになります。一等は大小の節が多く、強度的には問題の無い程度の若干の死節や虫食い穴なども混入している状態といわれています。基本的に節の有無や大小で分類され、意匠的に使用する造作材としては、見た目に節が少ないほど高価であるということです。化粧材としては見栄えの良い節が少ない木材が好まれる訳です。

無節、上小節、小節はJASの造作用製材の材面の品質基準として定められた等級です。

なお、見た目だけによる等級ではありますが、節が全く強度に影響しないとは言いきれないため、隠れてしまう構造材でも特一等以上を採用することをおすすめします。

木材の強度

材料の強度は曲げヤング係数(tf/cm²)という数値がひとつの目安となります。曲げヤング係数とは、木材に加わる「曲げ」の力と、その力に対する木材の変形である「歪み」の関係を示す数値であり、数値が大きいほど曲げに対して強いことを表します。

代表的な木材の強度(tf/cm²)
杉(70)、ツガ(80)、
ホワイトウッド(90)、ヒノキ(90)、
スプルース(100)、ベイツガ(105)、
ベイマツ (110)、アカマツ(115) 、ケヤキ(120)

これらの値は無垢材ではバラツキがあります。構造計算の不要な木造2階建てまでであれば問題はありませんが、構造計算が必要な木造3階建てでは、強度のバラツキが少ない集成材を用いることも必要になってきます。

無垢材と集成材

木材は使用する形態として、「無垢材」と「集成材」とに別れます。

無垢材とは、使用する形状で丸太材から切り出した木材を指します。樹木様々な木目や表情が味ではありますが、一本の木から採れる材が限られることや、反り・狂いが生じやすいという欠点があります。

集成材は、丸太材から板状(ラミナ)に切り出して、それを接着剤で圧着して作られた木材です。集成材は施工後の狂いが少なく、強度・性能のバラツキも小さいといった特徴を持ち、無垢材のデメリットを補う材料であるといえます。

無垢材の扱いについて

無垢材は施工後、良い環境で乾燥することで強度がさらに増して行く樹木もあります。結露や雨水といった浸水がなければ、建物完成時の強度を何十年も維持して行きます。

無垢材の狂い(ソリや曲がり)については、木材そのものが十分に乾燥していないことが原因です。

乾燥の最低基準(含水率)
構造用製材20%以下
敷居、鴨居、長押等18%以下
床板、内装用壁材15~10%
使徒に応じてしっかり乾燥させた材であれば、大きく狂うことはありません。

集成材のメリット

無垢材に比べて集成材が優れている点は、大きく2点、強度にバラツキが小さいことと、狂い(ソリ)が少ないことです。

同じサイズの木材であれば、建物完成時の強度は集成材は無垢材より優れています。一般的には集成材は無垢材の1.4倍の強度があるとされています。無垢材の部分的な強度のバラツキを細かいピースを強力な接着剤で張り合わせることで、均一な強度を確保しているためです。

集成材に狂いが少ないのは、張り合わせる板材のそれぞれの繊維方向が異なることもありますが、板材(ラミナ)が2cm前後と薄く、乾燥工場により十分に水分を抜くことができるからです。施工後も寸法の変化が少ないことからもクレームも起きにくいといえます。

集成材のデメリット

集成材の健康被害への不安

集成材の接着剤はVOC(揮発性有機化合物)物質を含むものが多いため、「シックハウス症候群」といった健康被害がないとは言いきれないものです。特に乳幼児といった小さなお子様がおられる場合は使用材料、接着剤にはご注意頂きたいところです。

実は、建築基準法ではシックハウス規定は内装材のみに制限がかかっていますので、構造材に集成材を使用した場合は建築基準法では規制されないため、「構造材の接着剤」にも注意が必要ということです。

集成材に使われる接着剤としては、
・酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤
・メラミン樹脂系接着剤
・レゾルシノール樹脂系接着
・水性高分子-イソシアネート系接着剤
がありますが、ホルムアルデヒド放散の心配が無いものはイソシアネート系接着剤のみとなっています。(ホルムアルデヒドはVOC物質のひとつです。他にトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンなどもVOC物質です。)

集成材では耐久性に不安要素あり

集成材は板材(ラミナ)を接着剤で貼り合わせたものであり、その耐久性は接着剤の接着力ということになります。

接着剤は湿気に弱いことや、経年による接着力の低下からはく離する恐れがあります。近年の接着剤は強力になり、耐久性も改良はされてきていますが、将来的に不具合が起こる可能性は否定はできません。

まとめ

近年は安価で安定した量を輸入できるために、スプルースやホワイトウッドといった木材が多く使用されています。また、強度や品質の安定を図るために集成材も多く用いられます。

これらの木材は決して使用することに問題があるものではありません。できるだけコストを抑えた住宅とする場合は使用することは問題はありません。

しかし、建物を長く高品質に保つためには木材の適材適所を心得た設計が必要となります。菌やシロアリ、水湿に対する耐久性が必要な部位には耐久性に優れた木材を使用する必要がありますので、安かろう悪かろうの設計や工事を行う業者を選んではいけないということです。



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