はじめに

住宅の土地は地域や環境により価格は様々ですが、注文住宅はある程度の価格の「目安」となる相場はあります。

住宅にかけられる費用は年収によっても違います。通常は年収(世帯年収)の5倍程度までに抑えるべきと考えられていますね。住宅ローンでは年収の6倍程度までが借入できますので、土地の購入もある場合はローンの可能額も確認して工事費用の予算を検討しておかなければなりません。

例えば、年収が500万円であれば、3000万円まで住宅ローンが組めます。頭金を500万円出せるとすれば、土地と住宅に3500万円程度かけられることになります。

注文住宅といっても広さやスペック(仕様)によって価格はいろいろ。予算はある程度決まっているものの、少しでも希望に近い住まいにするために費用の相場を知っておく必要はありますね。

新築住宅の価格の相場はどれくらい?

新築住宅の相場は、平成28年度の「建築工事届」に基づく国土交通省の統計調査結果では、全国平均(271,695棟の平均・土地は別)では床面積の平均が122㎡で、平均工事費は2,296万円、㎡当たりは18.8万円/㎡(坪単価62.04万円/坪)という結果です。

これに対して平成28年度の「フラット35利用者調査」(15,239棟の平均・土地は別)では、床面積は全国平均で129.3m2、平均工事費は3,308.2万円、25.5万円/㎡(坪単価84.15円/坪)となっており、フラット35の利用者の平均工事費用は高めとなっています。

これらは建売住宅も含んだ統計ですので、注文住宅ではもう少し高くなると思われます。

坪単価は一般的には「スペック」により上下しますので、同じ床面積や間取りであっても耐震性、断熱性、耐久性、設備、仕上げ材などのスペックにより工事費はかなり変わってくるものです。

1000万円台・2000万円台・3000万円台の価格帯のスペック

それでは価格帯によってどのような特徴の住宅となるのかを簡単に解説してみます。ここでは床面積が120㎡程度の住宅と想定しています。

1000万円台の家(坪単価~50万円台)

1000万円台の家もよく広告でも「ローコスト住宅」として見かけますね。各スペックを抑えて建物の形も可能な限りシンプルにしたものが多いです。真四角で総二階、屋根も片流れが多いですね。どうしても「箱」って感じになってきます。

建物の形は凸凹が多いと外壁や屋根のコスト増になるため、シンプルにすることで価格を抑えています。

建材や設備に関しては、全く選べないと言うわけでもなく、工務店が大量に仕入れたりメーカーと提携するなどして安くしているケースも多く、「安物」ばかりではなさそうですので、どんな材料が使われているのかを確認する必要はありますね。

特に「構造材」は国内の木材は土台のヒノキ等を除いてほとんど使われず、ホワイトウッド(ヨーロッパのスプルース、ドイツトウヒなどの白木針葉樹の総称)やベイマツ(米松)といった安い材料が使われます。特にホワイトウッドは柔らかく白蟻には弱い材料ですので、採用する場合には注意が必要です。
※木造の構造材についてはこちらもご覧ください↓↓↓

また、耐震性や断熱性にこだわっているものもあり、1000万円台でも耐震等級3や断熱等級4というものもあります。

ただし、一般的には結構な安さです。きちんと工務店を見極めて、安心できる業者かどうかを調べないと、「手抜き」や「ミス」により品質にも影響してしまいます。

このクラスで満足のいく住まいとするためには、施主(建築主)であるあなたも相当勉強しないと妥協だらけになってしまいます。「住めりゃいい」ならいいですが、それでも高いお金を払って建てるのですから、十分調査をしてください。

2000万円台の家(坪単価60~70万円台)

2000万円台は平均的なスペックとなります。2000万円台でも建物の形はシンプルなものが多いですが、設備や材料の幅は広がります。費用を抑えながらも部分的にこだることも可能になってきます。

例えばキッチンだけはグレードを上げたい、フローリングは無垢にしたい、断熱性にはこだわりたい、といったことも可能になってきます。

こだわる部分と抑える部分をきちんと分けておけば、バランスの良い住まい造りが可能ですね。

大手ハウスメーカーでもこのクラスが主流となっています。

3000万円台の家(坪単価80万円台~)

3000万円台では全ての部位をハイスペックにはできませんが、ある程度納得のいくレベルまで持っていくことのできる価格帯です。

内装を全て自然素材にしたい、外壁や屋根もワンランク上のものを使いたいといった希望も可能になってきます。

ただし、欲張りすぎてはすぐに予算オーバーしてしまいますので、妥協できる部分も確認しておかないと工事費がどこまでも高くなってしまいます。

3000万円以上の住宅とするのであれば、工務店の設計ではなく、設計事務所に設計を依頼してデザイン性、性能、コストをトータル的にコーディネートしてもらうこともおすすめします。

工事費を抑えるコツやテクニックはある?

設計を進めていくと、予算をオーバーしてしまうことはよくあることです。予算管理がきちんとできない設計担当の能力不足とも言えるのですが、フルオーダー住宅となると結構難しいものなんですね。

ここで工事費を下げやすいポイントをいくつか紹介しておきます。

■面積の大きい部分のスペックを下げる

まずは大きい面積の部分の価格を見直すことです。細かいところのスペックをちまちま下げてもあまり効果はありません。

面積の大きいものとしては、外壁、屋根、フローリング、壁材などですね。これらのスペックが高いものがあればランクを下げることで何十万円と変わってきます。

■間取りを見直し建物の形をシンプルに

建物が入り組んだ形の場合は間取り、建物の形を見直してシンプルにすることで工事費を下げることができます。

間取りと言うよりも建物の形を見直し、シンプルにするということです。建物の形を変えるのは間取りを変えていかないと無理ですからね。

建物の形をできるだけ四角にする、総二階にしていくと外壁の面積や役物(コーナーや入隅の材料)も少なくなり、細かい材料や手間も減らすことができます。同様に屋根もシンプルになりますよね。

入り組んだ形はコストも高くなりますし、断熱性や雨漏りにもマイナス要素です。

■オプション工事を別発注とする

地盤改良、外構工事、解体工事、太陽光発電システム、カーテン、照明設備などのオプション工事は別工事とすることで安くなることが多い(ほとんど)ものです。

工務店を介することで高くなってしまっているんですね。これらの工事を施主が直に発注することで、安くなりますし、安いところを探し直すことも可能です。

設計料や工事監理料はケチってはいけません!

注文住宅の総費用を検討していると、もったいないと思えてくるのが「設計・監理費用」ではないでしょうか?

実際のところ、工務店も設計費用や工事監理費用が明細にあると削るように言われるため、あえて安い金額を申し訳程度に上げているのが現状です。

しかし、設計や工事監理は非常に重要な業務で、これを「削る」というのは手抜きの設計、チェック機能のない工事を了承しているようなものです。

一般的に、設計は工事費の5~10%、工事監理は工事費の3~5%程度は必要となってきます。それだけの技術と労力が必要な大切な業務です。多少値切るのは自由ですが、大きく削減することは品質に関わってきますので、注意しましょう。

業者選びによっても工事価格は違う

工事価格は業者によっても違います。全くおなじ住宅を建てるにしても、地域の工務店で建てるのと大手ハウスメーカーで建てるのとでは前者の方が安くすみます。

ただし、安ければ良いというものではなく、工務店が安くできる理由、ハウスメーカーが高くつく理由があります。

ハウスメーカーには安心感(ハウスメーカーによりけりですが)やあり、充実した保証制度などのバックアップや組織力を活かしたノウハウや各種サービスが豊富ですよね。しかし、全て必要なものでもありません。

一方、地域の工務店は設計費用が安いが営業や設計担当も人数が少なく打ち合わせもスムーズではないこともよくあることです。保証制度もありますが、地域の工務店には倒産してしまうというリスクが少なからずあります。工事監理は現場監督が兼ねるという、チェック体制が最悪なパターンも多いものです。

同じ2000万円で住宅を建てる場合にしても工務店とハウスメーカーではスペックが違ってきます。それぞれの特徴を理解して選択することが大切です。

まとめ

注文住宅へかけられる費用、かけようと思える費用は十人十色です。ローンを組めるだけ組んで、こだわりの住まいとすることも、1000万円台でローコスト住宅を建てることも住宅への価値観により様々です。

工事費は多少は値切ることはできても、床面積が40坪でハイスペックな住宅を1000万円台で建てることは不可能です。安くできるには色々と理由があります。工務店も利益がないと潰れてしまいますからね。

平均的な工事費用は目安として参考にはなりますが、「相場」や「坪単価」ばかりを気にするのではなく、金額に見合った仕様や機能なのか、最低限の品質はあるのかを確認する必要がありますね。



そして、とにかく、私が重要視しているのは、家の品質を守ること。

あなたの大切な住まいが、低品質の危険な家では最悪です。

「あなたのこだわり」と「高い品質」、これらを両立するための方法とはなにか?

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