はじめに~開発団地の「開発」とは?

建築チェックのtakumiです。

開発というのは、一定以上の規模を宅地を造成し、住宅地を形成するといった都市計画法の許可を受けて行われる行為です。

専門的には「区画形質の変更」と言いますが、例えば、森林や農地を宅地化する、といったものですね。

大規模な住宅団地は、多くがこの開発許可により造成されています。

宅地に適していない土地を宅地に変える行為ですので、元々の土地が農地であったり、池や沼であったり、大きな谷であることもあります。

つまり、地盤が緩い「地盤がふわふわの土地」に、大きく土を盛ってあることがあるということですね。

開発によっては、盛る土をセメント改良した「改良土」を用いることもありますが、基本的には通常の土で埋め立てられます。

埋め立てる技術基準もありますが、基本的には「30cm事に転圧する」といったアバウトなものであり、建物が地盤改良や杭なしに建てられる地耐力を得られるものではありません。

もちろん、地盤が緩い場合には地盤改良や杭を打つことにより沈下を防ぐことはできますが、100万円前後の余計な工事費がかかることになってしまいます。

さらに、大規模な埋立地の場合には、地盤改良や杭を打ったさらに下の地盤から沈下してしまう恐れもあります。

しかも、開発工事が終わると、どこの土地が盛土で、どこが切土かということは見た目では分かりませんし、土地の価格にも反映できていません。

同じ土地価格なら、当然、大きく土を盛られた土地は避けたいですよね。

開発団地の土地の注意点

開発団地は「開発された土地だから、何もしなくても安全だ」というのは間違いなんですね。

地盤改良や杭を打たないと、建物を建てられない場所も多く存在します。

盛った土は固まらない!~盛土や埋立地は避けるべき

建物を建てる地盤は、固くないと沈んでしまいますよね。

いくら耐震性能を向上させ、建物がガチガチで耐震等級3を取得できる性能があっても、それを支える地盤が緩くては意味がありません。

地盤が緩いと地震の揺れが増幅し、本来の震度よりも大きな力が建物にかかってしまいます。

さらに、地盤が緩いと部分的に少しづつ沈んでしまう地盤沈下が起きたり、地震の揺れにより地面が液状化してしまい、急激に地盤の耐力が無くなってしまうこともあります。

地盤沈下によりひび割れた地盤
地盤沈下によりひび割れた地盤
地盤が液状化し地耐力がなくなっている状況
地盤が液状化し地耐力がなくなっている状況

そうなると、建物自体が無事でも傾いたり歪んで住めなくなり、全壊と同じ扱いとなることがあります。

特に、大きく土を盛られた土地は、見た目には分かりませんが、少しづつ沈下をしている事が多く、十分な地耐力を得られないものとなっています。

そのため、盛土、埋立地はできる限り避け、切土された土地を選ぶ必要があるんですね。

開発した土地にも盛土、埋立地がある

開発した団地は、全ての宅地が切土という訳ではありません。

「あの団地は山を切り開いて造られたから、切土ばかり」ということは無いんですね。

特に、大規模な開発というのは、切土ばかりのでは大量の土砂を土捨て場まで運ばなければならず、搬出土を少なくするために必ず団地内に盛土をし、土量のバランスを図ります。

つまり、山を切り開いた団地であっても、盛られた宅地も存在する可能性がある訳ですね。

開発団地で盛土を見分ける手法を伝授!

造成計画平面図と造成計画断面図を理解

開発では、造成計画平面図造成計画断面図といった図面により、造成工事が行われます。

住宅地の造成計画平面図の例
住宅地の造成計画断面図の例

これらの図面は土を切る(掘削する)所と、土を盛る(埋め立てる)所を色分けしているものです。

色分けの仕方は色々ありますが、多くは、切土が黄色盛土が赤色といった分け方が多いですね。

開発団地の土地の購入を検討する際に、このような図面があれば、どこが盛られた所かが分かり、ざっくりですが、元の地形もある程度分かりますので、盛られた高さも分かりますね。

造成計画平面図、断面図はどうやって入手する?

この、造成計画平面図や造成計画断面図は開発許可申請書に添付されていますので、開発した業者が持っている可能性があります。

さらに、申請先の行政(都道府県庁や市役所の開発許認可部局)において、申請書が保管されていることがあります。

行政庁によって保管の期間にも違いがありますが、比較的新しい造成工事であれば残されている可能性が高いですね。

まずは、行政庁に団地の開発図面が残されているか確認し、残されていれば、情報公開条例などの手続きにより、コピーを取ることもできます。

開発許可制度以外の団地

造成計画平面図や断面図が役所に申請されるケースは、都市計画法による開発許可申請と、宅地造成等規制法における許可申請の場合です。

そのため、これら以外の造成工事であれば、役所には申請されていないため、工事主体に問い合わせる必要がありますね。

例えば、再開発事業や区画整理事業といったものです。

小規模な1,000㎡(規模は地域によって基準が異なります)に満たないような小規模な造成も、開発申請が不要なこともあり、造成図面が残されていない、または図面がそもそも作られていないといったこともあります。

必ずしも図面を見ることができるものでは無いのですね。

開発工事の図面が残されていない場合は?

開発図面を確認するために役所に問い合わせたり、事業者に問い合わせても、図面が残されていないことも、もちろんあります。

そういった場合は、地盤の地質調査をすることが必要になりますが、土地を購入する前に調査をすることは、なかなか困難ではあります。

住宅地の地質調査は、スウェーデン式サウンディング試験といった簡易な試験(5万から10万程度の費用でできる試験)が主流ですので、不動産業者や土地所有者に確認してみましょう。

また、少し難易度が高くなりますが、古い地形図(等高線の入ったもの)航空写真が国土地理院などで公開されていますので、それらの図から現状と比較をし、土が盛られているかどうかを判断することが可能な場合もあります。

大きな擁壁の上は盛土が多い

高低差のある土地の場合、宅地を形成するために、擁壁により段差を造り、段々の宅地にすることがあります。

その際に注意することは、擁壁の周りは盛土されていることが多いということです。

下の図のように、大きな擁壁を造るためには、土を掘削しないと工事ができません。

擁壁の埋め戻し範囲の参考図

当然ながら、擁壁の高さが高いほど、掘る範囲も大きくなるため、盛られている範囲や深さも大きくなる訳です。

そのため、上の図のように擁壁で段差のある場所では、「上の段」の土地に擁壁の工事で盛土をした範囲があることになります。

このような擁壁の周囲の盛土は、先程の造成計画平面図には反映されていませんので、注意が必要ですね。

後に出てきます洪水調整池も、擁壁により囲まれていることが多く、擁壁と同様に、洪水調整池の近くの宅地は盛土となっていることがあるため、注意が必要です。

他にも、大きな排水施設や防火水槽といった工作物も、それを埋設するために周囲を掘っていますので、同じことですね。

「埋設されている大きな工作物」の周りは掘られている、ということを念頭に置きましょう。

開発団地におけるその他の注意点

擁壁の下の宅地

1.0m以上の高さの擁壁には、開発基準で水抜き穴が必要となっています。

この水抜き穴というのは、擁壁の裏側に雨水がたまり、擁壁に想定以上の負荷がかからないようにするため、土の中に溜まった雨水を排出するためのものです。

鉄筋コンクリート擁壁の水抜き穴

そのため、雨が降った後はこの水抜き穴から水がちょろちょろと流れ出ることになります。

注意が必要なことは、擁壁のすぐ下の宅地には、この水抜き穴からの水を受ける排水溝が必要ということです。

排水溝が無いと、擁壁の上の雨水が下の宅地にダラダラと流れ込むことになります。

また、その排水溝が上の宅地の物なのか、下の宅地の物なのかを確認しておかなければなりませんね。「境界がどこにあるか」、ということです。

排水溝は、その所有者が溝掃除をすることになりますからね。

洪水調整池の近く

大規模な開発団地では、団地の低い位置に大きな洪水調整池が設置されることが多くあります。

住宅地の洪水調整池

洪水調整池は、大雨の際に下流の河川等に大量の雨水が一気に流れ込むのを防ぐために雨水を溜め込んで少しづつ流す役割があり、河川の氾濫を防止するものです。

この洪水調整池は、団地内の雨水が集まってきますので、少しでも雨が降ると水が溜まります。

水草が生い茂った調整池も見られた事があるかもしれませんね。木まで生えている所もあります。

そのため虫が多く、夏場は特に蚊が多く発生するため、洪水調整池の近くの宅地はあまりよくありません。

また、水が溜まったままですと、匂いも気になるかもしれません。

調整池の近くも、できれば避けたいものですね。

まとめ

開発団地は、開発されているといっても大きく盛土された土地もあり、開発の基準により造成はしていますが、必ずしも地盤改良や杭が不要になるようなものではありません。

開発団地の土地を購入する時のポイントは、

 大きな盛土を避けること

であり、できれば切土で造られた土地を購入したいものです。

地震による被害を少なくするために、地盤の良い土地を探すことは必須です。

開発団地の土地の購入を検討されている場合は、切土と盛土に着目し、選定してみましょう。



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