こんにちは。
一級建築士のtakumiです。
今回は、外構の「アプローチの材料」についてのお話です。
家づくりは「家自体」にはすごく熱心に取り組まれていたのに、外構を放ったらかしにしている施主さんが少なからずおられます。
特に、「アプローチ」の部分は、毎日行き来しますし、お客さんも歩かれますので、日々の生活に欠かせない大事なところです。
アプローチの材料選定のポイント
外構のアプローチを決める時のポイントは以下の通りです。
・滑りにくさ
一番きにすべきは「滑りにくいこと」ですね。
安全面は第一ですから、滑って怪我をしては最悪ですから、普段もそうですが、雨が降った際など濡れている時にも滑りにくい素材・粗度(表面の粗さ)のものを選択するべきです。
・歩きやすさ
安全性の次はやはり「歩きやすさ」です。
見た目も大事ですが、歩きにくいアプローチでは台無しです。
ある程度フラットであり、材と材の継目(目地など)など、なるべく凹凸が少ない計画にしておかないといけません。
・手入れのしやすさ
アプローチは家族が毎日通る通路ですし、お客さんも一番目に着くところですから、キレイにしておかないといけません。
そのため、掃除のしやすさ、汚れにくいことも大事です。
また、汚れが目立ちにくい「色」を選ぶことも大切ですね。
・水はけの良さ
外構は全体で水勾配や排水計画も行う必要がありますが、特にアプローチには水たまりができないように配慮が必要です。
見た目だけで選ぶと、滑って怪我をしたり、汚れが落ちにくく掃除に時間がかかったり、経年劣化でボロボロになったりと、ろくなことがありませんので、しっかり考えておきましょう!
タイル
タイルは玄関ポーチでは最も多い素材ですね。
色や材質も様々種類が豊富で、一番扱いやすい材料と言えます。
表面の粗度は様々ありますので、なるべく滑りにくい素材のものを選択しないと、雨で滑りやすいものも多いので注意が必要です。
タイルは目地が汚れやすいので、目地の色にも気を使い、汚れの目立たない色にした方が無難です。
また、通常は割れることは少ないのですが、重いものを落としたり、車のタイヤが踏んでしまって割れることもあります。
石(天然石)
石もアプローチ、玄関ポーチともによく使われる素材です。
石の種類や大きさにもよりますが、タイルよりもコストは高くなります。
石は、表面の仕上げにより粗度が大きく変わりますので、雨で滑りにくいように少し粗めの仕上げにしておきたいところです。
ただし、あまり表面がザラザラしすぎると、凹凸に汚れや水がたまりやすく、すぐに見た目に汚くなりやすいので、粗さのバランスは大切です。
インターロッキングブロック、レンガ
インターロッキングやレンガというのは、それ自体、粗度がある程度高いので滑りにくい材料ではあります。
インターロッキングは公共の歩道でも使用される材料ですから、歩きやすさはまずまずです。
これらは材料自体に多少の透水性がありますし材と材の間に隙間(又は目地)もありますので、表面が乾きやすいのがメリットです。
デメリットとしては、材料自体にあまり強度がありませんので角が欠けたり割れたりすることもあります。
また、隙間や目地から雑草が生えてくることもよくあるので、維持管理は少なからず必要になります。
コンクリート
コンクリートの舗装はコストもそれほどかかりませんし、維持管理もある程度しやすいものです。
アプローチが駐車スペースを兼ねる場合にコンクリート舗装となることも多いですね。
コンクリートのデメリットは、汚れが落ちにくい点です。
特に、何か色のついたものをこぼしたりすると、色が落ちなくなります。
また、クラック(ひび割れ)が入りやすいこともありますので、見た目にキレイな状態は長続きしないことが多いものです。
コンクリートは、打設した後にコテで均しますが、ツルツルにしてしまうと滑りやすくなるので、仕上げの粗度にも注意が必要です。
コンクリート舗装材(二次製品)
コンクリートには、添加剤を混ぜて整形したタイル状の二次製品もあります。
これらは透水性を有していたり、滑りにくさが改善できたりしますので、特徴を把握して、このような製品を使うことも選択肢に入れてみましょう。
洗い出し
洗い出しというのは、コンクリートやモルタルに砂利を混ぜて、最後に表面を洗って砂利を浮き出させる工法のことです。
和風や和モダンにもよく使われ、落ち着いたデザインで昔から人気がある手法です。
足ざわりもよく、砂利による表面の細かい凹凸により滑りにくい材質と言えます。
デメリットとしては、人の手に寄るところが大きいので、職人さんの腕によって仕上がりが左右されるところです。
また、経年劣化により表面の砂利の部分がポロポロととれくることもよくあります。
表面の砂利の間に汚れも貯まりやすいので、普段から水洗いは欠かせない手法です。
比較的クラック(ひび割れ)もおこりやすい工法ですので、維持管理のしやすさとしては△ですね。
枕木
枕木を並べてアプローチに使う手法もありますね。
古風な欧風のアプローチやアンティークな風合いを醸し出すのに使われる材料です。
デメリットとしては、あまり歩きやすくは無いところです。
どうしても間のスペースができデコボコしますし、雨に濡れるとヌルヌルになって滑りやすい点もマイナスポイントです。
木製の枕木では経年劣化により腐ってくることもありますので、コンクリート製の二次製品もありますので、どうしても枕木の雰囲気をチョイスした場合には検討してみても良いですね。
設備の桝にも要注意
アプローチの計画の際に、考えておきたいこととして、設備の桝の位置の擦り合わせがあります。
桝には雨水排水の桝、汚水の桝のほか水道メーターなどもあります。
見た目にちゃんと配慮をしてくれる担当者なら良いのですが、
・放っておくとアプローチが桝だらけ
・ど真ん中に桝が
なんてこともあることです。
桝などの設備関連はアプローチに出さないこと、やむを得ず配置する場合でも見た目に配慮することを指示しておき、設備図と外構図を照らし合わせてチェックすることも大切です。
これはほんとによくある事で、基本的に設備屋さんは見た目をあまり気にしないので、いかに監督さんが配慮できる人かによります。しかし、そんな人任せではいけませんので、前もって桝の位置も確認し、指示しておくべきです。
まとめ
外構計画は最後の方に検討する分野ですので、間取り計画や照明計画に躍起になり、あまり検討せずに進んでしまうことも多々あります。
特に、アプローチは毎日頻繁に使う通路でありながら、よく考えずに進めてしまうところでもありますから、十分検討して、通行しやすく維持管理も良いものを考えておきましょう。
※外構はこちらの記事もまたお読みくださいね↓↓↓
マイホームの外構工事で注意すべき5つのこと~よくある外構の失敗例~
※noteでも家づくりに関する記事やコラムを執筆していますのでこちらもどうぞ
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