
電磁波過敏症
一級建築士のtakumiです。
電磁波過敏症という言葉をご存知でしょうか。
先日、化学物質過敏症というこを記事にも書きましたが、電磁波も同じように健康被害が発生しております。
よくあるのは、パソコンやスマホを触っていると、指先が「ピリピリ」してきたり、他には家電の近くにいると「頭痛」や「耳鳴り」がするということもよく聞かれます。
また、「不眠症」を引き起こすこともあるとされています。
今回の記事は、住まいの計画、と言うよりも全てのお住まいに潜む電磁波のリスクについて、新しい住まいを計画中の方はもちろん、特に住み替えの計画のない方も、ぜひ、一読頂ければと思います。
頭痛や偏頭痛
めまいやふらつき
疲労感や倦怠感
睡眠障害(不眠や浅い睡眠)
集中力の低下、記憶力の衰え
耳鳴り
・皮膚への影響
皮膚の発赤やかゆみ
灼熱感やチクチクする感覚
乾燥や敏感肌の悪化
・心身の不調
不安感やイライラ
ストレスや抑うつ気分
心拍数の増加や動悸
吐き気
・その他の症状
目の疲れや痛み
筋肉痛や関節痛
消化器系の不調(腹痛、下痢など)
電磁波過敏症については、症状との関連性を証明するには至っていないケースが多いようですが、癌や脳卒中、そのほかアルツハイマーなど各種神経疾患との関連性も無視できないものとなっています。
低周波と高周波~電場と磁場
電磁波と一言で言うことが多いのですが、実は電磁波にも種類があり、大きくわけて低周波(家電など)と高周波(携帯電話、WiFiなど)に分けることが多いです。
低周波
低周波(50/60Hz)というのは、 主に家庭の電源(交流電気)や家電製品から発生します。
周波数が低く(3Hz~300kHz程度)、電磁波を意図的に発生させるものではなく、電気使用の副産物として生じます。
例えば、冷蔵庫、テレビ、IH調理器など家電のほとんどが低周波を発しています。
高周波
高周波(100kHz以上)は、 携帯電話(数百MHz~数GHz)、WiFi(2.4GHzや5GHz)、電子レンジ(2.45GHz)など、無線通信などに利用されます。
電界と磁界が交互に発生し、空間を電波として伝播します。
まず、家電から発生する低周波について解説します。
低周波も二種類に分かれ、「電場」と「磁場」とに分けて考える必要があります。
低周波の影響~電場(V/m)と磁場(mG)について(電圧と電流)
電場(電界)の発生条件は、電圧がかかると発生します。
家電では、コンセントにプラグを挿した時点で生じます。
スイッチをONにしていなくても発生するのが電場です。
測定値は数百V/mに達する場合もあります。
磁場(磁界)の発生条件:は、家電のスイッチをONにし電流が流れると発生します。
物質を透過し、距離が離れると急速に減衰するのが特徴です。
家電の状態で言えば、「コンセントに挿すだけ」で電場が発生、「使用中」に磁場が顕著になります。
電場と磁場の健康被害と対策
電場の健康被害
強い電場ではピリピリ感や不快感が報告されます。
一部で頭痛や疲労感など自律神経に作用することもあるようです(電磁波過敏症の主症状です)。
対策としては、アースを接続(電子レンジ、洗濯機、IH、便座、食洗機、パソコン、エアコンなど)することが最重要です。
基本的に、アース線のある家電は全てアースを接続する方が無難と言えます。
そして、使わない時にはコンセントからプラグを抜くことも大切です。
磁場の健康被害
遺伝子疾患、内臓疾患、発がん性のリスクが高まると言われています。
0.4µT(4mG)以上で小児白血病リスクとの疫学研究がありますが、因果関係は未証明のようです。
また、WHOは「発がん性ランク2B(可能性あり)」と分類しています。
因果関係は不明確であっても「リスク」としてできるだけ回避するのが賢明ですね。
対策としては、使用中の家電から距離を取ることが最重要です。
1m離れると大幅に減少しますので、1m程度は隔離距離をとるようにして使用するようにしたいですね。
また、どうしても近距離で使うものは長時間使用を避けるべきですね。
電磁波の数値の高い家電
IH
アース接続により電場は大幅にカットできますが、磁場は距離をとる必要があり、現実的に不可能ですので、使わない方が無難です。
※同じような家電にMFG社のスーパーラジエントヒーターがありますが、こちらは電磁波対策をしているので、別物と考えて良いかと思います。
電気カーペット、電気毛布
これらは身につけないと意味が無いものですから、使わない方が無難です。
テレビ
アースがとれないため電場は発生、またスイッチONで磁場も発生するため、距離をとることが大切。
電子レンジ
アースをとることで電場は回避できるが、使用時に磁場は発生するため、使用時は近づかないことが大切。
食洗機
アース接続により電場は大幅にカットできますが、使用時に磁場は発生するため、使用中は近づかないことが大切です。
パソコン
ノートパソコンでもアース付きの電源ケーブルが多いため、近くのアース付きコンセントに接続するのが無難です。
電源ONでは電源ケーブルが繋がっていると磁場が発生するため、ノートパソコンはできるだけ電源ケーブル抜いた状態で使用するのが望ましいです。
※一般社団法人 日本電磁波協会のセーフティガイドラインでは、電場は25V/m以下、磁場は2.5mG以下
とされています。
↓↓↓
EMFAセーフティガイドライン
コンセントボックスと電線(ケーブル)の影響
コンセントボックス(分岐点や接続箱)やそこに至る電線は、電気が流れる際に「磁場」を発生させます。
住宅内の配線では、壁の中や天井裏に電線が張り巡らされており、これが電磁波の発生源となることがあります。


プラグが刺さっていないコンセントボックスやその配線には、通常、電流が流れていませんので、磁場は発生しません。
一方で、コンセントボックスには、電源から電圧が供給されていますので、電流が流れていなくても、電位差があるため電場が発生しています。
コンセントの端子や配線に電圧がかかっていれば、その周囲に電場が存在することになります。
ただし、この電場の強さは距離の2乗に反比例して急速に弱まるため、コンセントから少し離れれば影響は非常に小さくなります。
距離を取れば急速に電場は減少するため、ベッドやデスクを電線が集中する壁から離すことで影響を最小限に抑えられますので、家具の配置計画にも注意しておくべきです。
太陽光発電のパワコンの影響
太陽光発電システムでは、太陽光パネル自体は直流電力を生成するため電磁波をほとんど発生させません。
しかし、パワーコンディショナー(パワコン)は直流を交流に変換する過程で微量の高周波電磁波や低周波磁場を発生させます。
※測定データによると、パワコンから30cm離れた地点で最大75mG(7.5μT)程度、太陽光パネルから20cmで83mG程度の磁場が観測されています。
対策としては、パワコンを居住スペースから遠ざけることが必要です。
高周波の影響
高周波(RF: Radio Frequency)とは、一般的に3kHzから300GHzの範囲の電磁波を指します。
高周波の中でも、
AMラジオ、無線通信などの低周波帯(3kHz~30MHz)
FMラジオ、テレビ放送などの高周波帯(30MHz~300MHz)
携帯電話(特に4G/5G)、Wi-Fi、レーダー、電子レンジなどのマイクロ波(300MHz~300GHz)
があります。
特に、近年増えてきたマイクロ波の健康被害が懸念され、今後は注意すべき周波数と言えます。
ただ、マイクロ波は科学的なコンセンサスが得られていないものが多く日本でもまだまだ認知されていないことが多いのですが、実際には以下のような健康被害が報告または想定されています。
★電磁波過敏症(EHS): 頭痛、疲労感、睡眠障害などを訴える人がおられます。
※ただし、因果関係の証明は困難。
★携帯電話の長期間使用と脳腫瘍(特にグリオーマや聴神経鞘腫)の関連を調べた研究がありますが、結果は一貫せず、IARC(国際がん研究機関)はRF電磁波を「発がん性があるかもしれない(2B)」と分類しています。
★神経系への影響(集中力低下、ストレス増加)。
★生殖機能への影響(精子数の減少など、一部動物実験で示唆)。
★子どもの発達への影響(脳が未発達なため感受性が高い可能性)。
スマートフォンは便利でなかなか手放せませんが、健康面でリスクがある可能性は否定できません。
以下なことに気をつけて使うようにしたいものです。
・小さな子供には使わせない。・通話する際は可能な限りスピーカーやヘッドホンなどを使い、頭に近づけない。また、長時間の通話は避ける。
・移動時は常時身につけないよう、鞄に入れるなどする。
・寝室にはスマートフォンを置かないように工夫する。最低限、枕元は避ける。(特に低周波の影響もあるので充電は離れた場所にて行う。)
・低周波の影響も考慮し充電しながらの使用は避ける。
高圧線(高圧送電線)の影響
住宅地でも高圧線の近くに住宅が建ち並ぶ光景をよく目にします。
電場も磁場も距離が保てていれば影響は少なくなりますので、一般的には高圧線からの距離が60m保てていれば影響はないとされています。
しかし、個人差もありますから、これから土地を探す方は特に、高圧線が近くにない場所を選定される方が無難ではあります。
まとめと考察
細々と解説してきましたが、低周波の対策としては、家電はできるだけアースを取り、使用時は離れることが大事です。
また、以下のように低周波の対策を施した事例もありますので参考にされてはと思います。
オールアースの住宅
http://www.all-earth.net/allearth/
そして日常的に、スマホの電波やBluetooth、WiFiといった高周波(特にマイクロ波)への対策も忘れてはなりませんね。
電磁波の影響というのは、なかなかすぐに身体に現れるものではありません。
そのため、何か調子が悪い時やそれこそ大病になってしまった時に、その原因が何であったか分からなくなることが多いのです。
現代は電磁波の他にも建材の化学物質、食品の添加物や農薬、水質汚染、医療機関で貰う薬やワクチン摂取と、人間の体には不必要で毒になる可能性のあるリスク要素が沢山あります。
全てのリスクに過敏になる必要はありませんが、できることは少しでも対策して、リスクを減らして生活することが望ましいかと思います。