マイホーム設計中の主なチェックポイント!~間取り以外も注意点は多い・家づくりのチェックリスト~

こんにちは。

一級建築士のtakumiです。

住宅に限らず建築をするには設計図面のチェックは非常に重要です。

家づくりを全て業者まかせにしておくと、「こんなハズじゃなかった」、なんて失敗することもよくあることです。

もちろん、プロに委託するのですから細かいことは任せておいてよいのですが、要所要所でチェックはしておかなければなりません。

ここでは、住まいの設計の際に、「特に」注意したいことをあげておきます。

予算

まず、予算です。

工事費はいくらでも建てられるという方も稀におられるかも知れませんが、普通は予算あっての家づくりですよね。

まずは、設計士や営業さんには、適切な予算を示します

そして予算オーバーの場合、全く無理なのか、一割オーバーくらいならいけるのかも言っておいた方がいいですね。

ポイントは、最初は本当の予算よりも低めに言っておいた方が無難です。

設計で予算オーバーすることは非常に多いですからね。

形態制限

形態制限とは、土地に対する建物のボリュームを決める際に制限となる基準です。

建築基準法で建ぺい率や容積率、各種斜線制限に適合するように建築物の建築範囲を決めていきます。

この時に、建ぺい率ギリギリに計画してしまうと、あとあと屋外物置やカーポートも増築できないので注意が必要です。

動線計画

設計の間取りの計画は、まずは動線計画です。

メイン居室がリビングであれば、リビングを中心に家族それぞれの動線を思い描いて使いやすさをイメージしましょう。

中でも家事の動線は最も重要と言えます。キッチンと洗面所、洗濯干しなどの日常の家事動線のイメージは重要ですね。

2階建てであれば階段の位置も重要です。

リビング階段にするのか、玄関ホール近くの階段にするかで大きく変わります。

これは外から帰ってきた家族が2階の部屋へ行くのにリビングを通るかどうかですね。

また、室内の動線だけでなく、屋外への動線も考慮が必要です。

例えば、ゴミ出しの際はキッチンから直接外へ出られる勝手口があれば便利です。

屋根の形

屋根の形状は建築費用にも影響しますが、複雑な形状ほど雨漏りのリスクが増えるといえます。

フラットな部分は屋根葺き材自体が劣化すれば雨が入ることはありますが、通常は「谷」「入隅」になっている所から雨水が入ることがほとんどです。

屋根の形は「切妻」「寄棟」などできるだけシンプルな形にする方が雨漏りのリスクは軽減できるということですね。

また、最近は軒の出が少ない住宅も増えてきています。軒先と外壁の取り合い部分は雨が入りやすいところですので、軒先はしっかり作った方が良いものです。

軒の出が無いことで、窓から雨が入り込み易いことも大きなデメリットです。

居室の配置

日中の太陽光を入れるため、基本は「南向き」の窓が最適ですが、全ての居室を南面に配置することはできませんので、優先順位を付けておきましょう。

リビング(LDK)はやっぱり、南向きが原則ですね。

寝室は東に面した窓があれば朝日が入ります。

逆に、どの居室にも西陽はあまり入らない方がいいですね。西に窓を設ける場合はあまり大きな窓にしない方が良いということです。

また、風通しも大切な要素です。家全体で風が通り抜けるよう、窓を計画することが大切です。

階段

建築基準法では階段の有効幅は75cmが最低基準ですが、少し余裕が欲しい場合は最初から設計者に要望しておく必要があります。

通常の木造在来工法であれば基本のグリッドは91cmなので、これで階段を納めると有効幅は78cm程度とギリギリになります。これは廊下も同じです。

また、スケルトン階段は採用するには注意が必要です。落下の危険性や下からの視線は考慮して決めてください。

階段の勾配は最低でも45度よりも緩くするようにしてください。建築基準法では蹴上は23cm以下、踏面は15cm以下と規定されていますが、この最低寸法で階段を作るととんでもなく急で危険です。

浴室・洗面水回り

浴室と脱衣・洗面室はセットですね。洗濯機はこのスペースに置くことになりますので、洗濯物をどこで干すかも関係してきます。

また、浴室の近くにはトイレも配置したいところです。

洗面所は脱衣室に入っていることが多いのですが、誰かが脱衣を使っている時に洗面所を使えないことがあります。それぞれ単独で使用できるよつに、脱衣場の外の廊下やホールに洗面所を設置する方法もあります。

水周りは、キッチンからの動線も考慮して、家事動線をうまく考えたいですね。

トイレ

トイレの位置は結構悩ましいものです。

玄関ホールの近くであればお客様が来られている時にトイレを使いにくいなんてこともありますし、リビングに近いと音が気になるなんてこともあります。

また、2階への配置も居室の隣だと音が気になることもありますね。

トイレは居室に隣接する場合、収納などを介するといった配慮も必要です。

1階の階段下に配置するものもありますが、やっぱり窮屈なものです。階段下はできれば避けたいですね。

トイレというのは、近くにあって欲しいけど、結構最後に残ったスキマにスポッと納めてしまって失敗しやすいものです。

トイレの位置はなかなか奥が深い。

収納

色々な平面計画を見てきましたが、収納スペースが少なめだったり、配置がイマイチな計画がとても多いものです

多ければ良いわけでもなく、入れるものや使い方によって奥行寸法も異なります。どこにどんなものを入れるのか、ある程度細かく計画しておきたいですね。

特に1階のLDK付近に少ないプランが多いのですが、玄関ホール(SC)、キッチン、浴室の近くには収納スペースがあると便利です。

布団を入れるには和式の押し入れのように奥行80cm程度が必要ですが、クローゼットではもう少し浅い60㎝程度の方が使いやすく効率的となります。

小屋裏物置やロフトを設ける場合もありますが「階数、床面積に含まない」ものは、昇降がハシゴ的なものになり昇降しにくく、使い勝手は良くはないものです。

建築基準法上、小屋裏収納やロフトはあくまでも収納で「非居室」、天井高さも1.4m以下で、床面積もその階の半分以下の面積まで、固定されていないハシゴにする、といった規制があります。

重いものや大きなものはなかなか持ち運びが困難ですので注意が必要ですね。

窓の注意点は「メンテナンス」ができるか、という点ですね。

吹き抜けや階段などの高い位置にある窓が注意です。

その窓、拭き掃除ができますか?という問題があります。

また、開閉が縦滑り出し、横滑り出し、外倒しなどの引き違い以外の回転系の開閉窓です。

これらは開閉がハンドルタイプやチェーンタイプとなりますが、引き違いに比べると圧倒的に壊れやすいですので、あまり多く取り入れないようにしたいですね。

また、内倒しや内開きは避けましょう。構造上、雨仕舞いが悪いので、雨が入りやすいです。

ちなみに、窓が多いと家具が置きにくくなりますので、家具の配置も考慮しながら考えていきたいですね。

ベランダ

ベランダは洗濯物や布団を干したり、エアコンの室外機を置いたり、ぼんやり外を眺めたりと、人によって色々使い方は違います。

また、「必要ない」という方もおられます。

ただ、2階の布団を干すためにはあった方が便利ですね。また、エアコンの室外機を置く場所としても有効です。

ベランダの注意事項としては、ベランダの床の下が室内の場合です。

ルーフバルコニーというものですね。この場合はバルコニーの床を防水施工することになりますが、防水というのは「そのうち劣化する」ものですので、雨漏りがしやすい部位ということになります。

防水工事の保証期間は通常10年ですので、10年以上経ってくれば防水の改修を検討する必要があります。

壁の機器の位置

壁に取り付ける機器類として24時間換気の吸気口やエアコンなどがありますが、これらが邪魔な位置にないか確認する必要があります。

例えば、エアコンがカーテンレールに干渉してしまったり、吸気口があるため家具を置けない、といったこともあります。

設備工事

照明のスイッチの位置は当然ながらドアを開けてスグですよね。たまに、開き戸を開いたら戸の後ろに隠れてしまったり、開く方向と反対側に付いてしまったりしますので、注意が必要です。

コンセントは多めに設置しておきたいですね。各家電を「使うところ」や「使う可能性のあるところ」です。AV機器の配置変更、季節家電をどこに置くかも検討が必要です。また、掃除機をかけるのに廊下や階段にも必要ですね。エアコンや洗濯機などの大型家電以外に特殊な電化製品がある場合は前もって言っておきましょう。

テレビやLANの端子も、コンセント程ではありませんが、「使うかもしれない」所に出口があった方がいいですね。パソコンもノートパソコンはWiFiが多いと思われますが、ケーブル接続の方がやっぱり安定して早いですからね。

照明についてもメンテナンスが重要です。そのひとつが「電球の取替え」ですよね。特に注意が必要なのは高い位置の照明です。吹き抜けの天井や階段の高い位置にある照明は家庭用の脚立でササッと電球の取替えをすることができません。そのような設計がダメな訳ではありませんが、どうやってメンテナンスをするかを確認しておく必要がありますね。

エアコンの設置位置についても考えておかないといけません。特に工事で付けず後からつける場合は、エアコンが取り付く壁があるか、室外機はどこに置くかを計画しておく必要があります。エアコン本体と室外機が離れる場合は配管が長くなり、エアコンを変える度に高い配管費用が発生してしまいます。

工事に入れると高くなるもの(付帯工事)

よく、「付帯工事」なんてものが明細書にありますが、多くは割高となります。

付帯工事と書いてなくても、カーテンやエアコン、照明(ダウンライト以外)のようなあとからでもできる工事は、別で見積もりを取った方が安く上がります

ハウスメーカーなどでも、よく、「インテリアコーディネーターがトータルコーディネートします」とありますが、あんまり期待はしない方が良いでしょう。

カーテン・カーテンレールも専門店に行った方が良いものを安く買える所はたくさんありますからね。

エアコンについては家電量販店で良いと思います。全館空調といったもの以外は工事に含める理由はありません。

これは外構工事でも同じです。カーポートやポスト、造園などの「外構工事」は別業者に見積もりをとって、別で施工する方が安く上がります。急ぎでないなら引渡し後にゆっくり発注しても良いのではないでしょうか。

まとめ

設計の打ち合わせは慣れないものでなかなか大変なものです。

しかし、設計担当者に任せっぱなしにしておくと、後で後悔することも多いものです。

納得のいくまでじっくりと検討して、打ち合わせをしてください。

noteでも家づくりの記事やコラムを執筆していますので、またご覧下さいね⇒takumiのnote

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