住宅建築での実際の工事の流れ

工事の工期・期間

こんにちは。

一級建築士のtakumiです。

注文住宅では、どのくらいで工事が完了して引渡しを受けられるのかを知っておかないと、引越しや、新生活の準備にも支障が出てしまいます。

工期は実際には工事の契約書に明記しますが、平均的には木造や鉄骨造であれば4~6ヶ月、鉄筋コンクリート造であれば半年~1年近くかかる場合もあります。

工事の期間は住宅の仕様、工事業者にもよりますし、天候にも左右されます。

また、3月に引き渡しを受けて住み替える計画の方も多く、住宅の着工数が多くなる年の後半は注意が必要です。

工事の工程

設計が完了して、全ての手続きが終わったら、施工者と正式に契約をして工事が始められます。

ここでは木造在来工法での一般的な工事の流れをお話します。

着工~地縄張り~地鎮祭

地縄張りは建築地に建物や駐車スペースなどの部分に実際に縄やロープで形どって施主が確認する行為です。

この後、地鎮祭をすることになります。地鎮祭は工事をして騒がせてしまうこと、構造物を建てることに対して土地の神様を鎮める、許しを得るといったものです。

後に出てくる上棟式は形式だけ行うことが多くなっていますが、この地鎮祭はしっかりやっておきたいですね。

地鎮祭のやり方は施主が取り仕切ってもいいですし、工務店に任せてもいいと思います。

地業工事、土工事(基礎の掘削~捨コン)

地盤の強度が不十分な場合は杭を打ったり、地盤改良をしたりします。

その後に土を掘り、基礎を造る準備をしていきます。

基礎の底まで掘った後は、砕石を敷き、防湿シートを敷きつめ、その上から捨コンクリート※を打設します。

※捨てコンクリートは基礎の位置を出す「墨出し」のために必要なもので、構造的なものではありません。

基礎工事

基礎は鉄筋コンクリートで造ります。

木造でも鉄骨造でも鉄筋コンクリート造でも基礎は鉄筋コンクリートなんですね。

鉄筋を組んでいき、コンクリートを流し込む型枠を建て込みます。

その際に、「ホールダウン金物」、「アンカーボルト」といった、基礎と柱、基礎と土台を緊結する金物※を仕込む必要があります。

※この金物を忘れたり、歪んで据えたりすると、構造的な欠陥になってしまいます。

最後にその型枠にコンクリートを流し込みます。

木工事

木造の構造体ですね。

基礎の上に土台を敷き、柱や梁を組んでいきます。耐力壁である筋交いや構造用合板も貼っていきます。

木造の構造で最も重要なのは「継手」と「金物」です。

木材のそれぞれを繋ぐ金物が適切なもので適切に接合されていなければ耐力を発揮できませんからね。

基礎の工事で据えたホールダウン金物やアンカーボルトの正確な据え付けが大切なんですね。

上棟式

木工事で棟があがれば上棟式となります。

上棟式は先の地鎮祭と違い、ここまで無事に工事が出来たことに関して、施主が職人さんに感謝をしお祝いをするものです。

これは地域や施主、施工者にもよりますが、あまり大がかりにはしないようになってきています。

屋根工事

木工事がだいたい終われば、次は屋根を葺いていきます。

下地のルーフィングをしっかり張り、屋根を葺いていきます。

自治体の基準によりますが、この辺りで建築基準法の中間検査が入る可能性があります。

外壁工事、建具工事

外壁を貼って、その後に外部側のサッシを取付けていきます。

外壁やサッシのシーリング(防水工事)が終われば、もう中に雨が入り込まないので内装工事が出来るということです。

外壁を貼り終わると、断熱材も入れていきます。断熱材は「隙間なく」施工しないと効果を発揮できませんね。

電気工事、衛生設備工事

電気の配線や衛星(汚水や雑俳水)の配管工事です。

壁の中や床下への施工なので、内装工事でフタをする前に終わらなければなりません。

内装工事、外構工事

壁や床下、小屋裏の全ての工事が終わったところから内装工事にかかります。

内装がほぼ終わってきた頃から、電気や衛生設備の器具も取り付けていきます。

また、この辺りから外構工事も入ってきます。

竣工

工事がほとんど終われば建築基準法の完了検査を受けます。

この後、業者の社内検査や手直しをし、クリーニングも済ませれば、施主の引渡し検査も行われます。

明らかな「不具合」であれば、大概は引渡し後も対応してもらえますが、内装のキズなど工事中のものか、使い始めた後なのかわからないものはよく見ておく必要がありますね

引渡し

全て問題なく終われば、いざ引渡しを受けます。

施工者から引渡し書類を渡され、機器の使い方や瑕疵担保責任、各種メンテナンスの説明を受けます。

最後の引渡し時の説明は、盛りだくさんですので、頭がいっぱいになってしまいます。

分からないことはまた後日説明してもらい、電気やガス、水道といった取り急ぎ必要なものは確認し、手続き等で漏れがないか整理しておきましょう。

まとめ

注文住宅の建築ははじめてのことばかり。

工事の流れを知っておいて、引き渡しの日を決める際には無理のない日程でないと、仮に工事が遅れてしまったら

引越しが出来ない、

今の住居を出ない、

といけないといったトラブルになってしまいます。

工事の工期は工務店と打ち合わせをして、余裕のあるスケジュールにしておきましょう。

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