はじめに

工事現場で見るべきは「隠れるところ」です。

表面に見える仕上げ材は完成してからいつでも確認できますからね。

木造の工事中

また、工事現場の整理整頓状況も要チェックです。工事現場にとって、現場の乱れは心の乱れです。

品質管理がしっかりしている業者ほど、現場は綺麗に整頓され、職人の安全面や衛生管理が行き届いているものです。

これ、ほんとに言えることなんですよ。

まずは「現場の整理整頓」ができてなければ、現場監督にしっかりと注意をしましょう。

現場へ行く際の注意点

勝手に現場へ入らないこと

土地の所有者であり、施主であっても勝手に工事現場へ入ってはダメなんですよ。

工事中は現場の責任者である施工者、現場監督の承諾が必要です。

何より危険ですからね。

そして、現場へ入る時には、現場監督や工事業者の職員に同行してもらうようにしましょう。

また、現場へはいる時には、必ずヘルメットを着用してください。ヘルメットは工事業者が貸してくれます。

むやみに触らないこと

現場へ入ったら、工事中のものにむやみに触れてはいけません。

仮に止めてあるものもあって危険なこともありますし、塗りたて、付けたところ、といった「ホヤホヤ」のものもありますからね。

施工中のものを壊したり、汚してしまった場合、手直し費用を請求されることもあります。

基本的には目視、「見るだけ」です。

ただ、現場で「なんかおかしい」といった場合は写真を撮っておくことも必要です。

現場で指示をする相手は?

現場を見ていると気になることもあると思います。

現場へは現場監督に同行してもらうのが良いのですが、理由があり施主だけで見ている場合に職人さんに聞いてみたり、確認したいことも出てくると思います。

しかし、現場で気になることがあっても、職人さんに直接指示をしたり、注意したりすることは避けましょう。

絶対にダメということはありませんが、職人さんは工務店の下請けですので、工務店の指示を受けて仕事をします。

ですので、施主であっても、あなたの指摘をあまりいいように思わないのが通常です。

そのため、窓口をひとつにしておいた方が何かとやりやすいものです。

一般的には、工事が始まれば現場監督と営業担当が打ち合わせをすることになります。

通常は現場監督を窓口にしておけば問題はありません。

ただし、現場監督のやり方に疑問を感じる、頼りないという時は、工事監理者に指摘することになります。

雨で作業をさせてはいけません!

屋根工事が済むまでは、雨が降ると建材が濡れてしまいますので、雨天では基本的に作業はできません。

例外的に、基礎の鉄筋工事や型枠工事はやろうと思えばできますし、多少の雨なら品質にも問題無いため、工務店に任せば良いでしょう。

ただし、「基礎のコンクリート打設」は雨で行ってはいけません。

コンクリートに余分な水分を入れては絶対にいけませんから。

また、木工事も注意が必要です。

木材は「含水率」を管理しますから、木材が水分を含むと品質に影響します。

雨天の場合はブルーシートなどでしっかり養生して木材が水分を含まないように管理してもらわないといけません。

基本的に屋根工事と外壁工事が完成してからであれば、少々の雨なら工事ができます。

しかし、当然ながら外部の工事は品質に影響が出ますので、雨天の際に工事をしている時には工事業者には「雨で大丈夫なの?」と確認をしておきましょう。

チェックは工事監理者を使うこと!

現場のチェックといっても、施主であるあなたが汗をかく必要はありません。

法的に、設計と合っているか、きちんとした工事ができているかは工事監理者がチェックをすることになっています。

工事監理者は法的にも、必ず必要な役割です。

施主は、工事監理者をきちんと機能させて、チェックさせることが大切なのです。

あなたが現場をチェックする時には、可能な限り「工事監理者」を立ち会わせて、チェックするようにしましょう。

また、工事監理者はできるだけ第三者とするべきです。

工事監理が現場監督と同一人物である、工事監理者が現場に来ないといった場合など、工事監理者が機能していない場合には第三者の工事監理スポット検査を検討した方が良いですね。

※工事監理については詳しくはこちらをご覧ください↓↓↓

施主が行うべき現場でのチェック

現場が図面通り、そして基準に合致して進んでいるかは気になるところです。

現場で確認すべきは、完成すると見えなくなる「不可視部分」を重点的に見ておきたいところです。

以下に重要なチェックポイントの一例をお伝えします。

もっと細かく確認したい、という場合には現場監督や工事監理者に相談しておきましょう。

細かいところは「工事監理者」の役目です。

建物の位置の確認

工事に入るまでには、地鎮祭の前に「縄張り」といって建築地に建物や駐車スペースなどの部分を縄やロープで形どって、確認します。

縄張りの例(引用元セイケンハウス)

実物の配置図のようなものです。

ここで、大まかな建物の位置を確認するわけですね。

境界線からの離隔距離を確認しておきましょう。

さらに、基礎工事に入ると、基礎の位置の墨出しが行われます。

墨出しとは、鉄筋コンクリートの基礎を作るために前もって薄いコンクリートを敷いておき、その上に墨で基礎の位置を出すことです。

基礎の墨出しは正確な位置を出しますので、ここで建物の位置が決定することになります。

地盤改良や杭の工事

地盤改良や杭も土の中の工事なので、見えなくなる部分ですね。

どちらの工事も、前もって「地盤調査」をして必要性を判断されていますが、工事での確認は、改良や杭の「長さ」となります。

改良や杭の深さは「支持層」と呼ばれる硬い地盤か、良好な地盤に到達することが必要ですので、

支持層(または良好地盤)は深さ何メートル下なのか、

改良や杭はその長さがあるのか、

といったことの確認をします。

地盤改良や杭の概要図(引用元「ジオテック株式会社」)

また、実際に支持層(または良好地盤)があるかどうかの確認も大事ですよね。

支持層(良好地盤)の確認は、杭や地盤改良の機械(重機)の電流計により判断されます。硬い地盤に到達すると、抵抗が大きくなるため、電流計が大きく跳ね上がります。

専門的な部分になってきますが、気になる場合は立ち会って、説明を受けることも必要ですね。

基礎工事

基礎工事では鉄筋コンクリートの品質が最も重要です。

鉄筋の太さ、間隔、コンクリートの強度などが設計通り、仕様通りに施工されているかといったポイントがあります。

施主が見るべきポイントは「鉄筋のかぶり」と「型枠の中にゴミが無いか」です。

鉄筋のかぶり

鉄筋のかぶりとは、組まれた鉄筋とコンクリートを入れる型枠との空きです。

この空きの寸法が小さいと鉄筋が錆びやすく、コンクリートの寿命に影響してしまいます。

下の図のように、被りが少なく鉄筋が錆びてしまうと、鉄筋が膨張しコンクリートが「爆裂」してしまうのです。

鉄筋が錆びた爆裂の例

基礎の鉄筋のかぶりの必要寸法は色んな仕様によっても異なりますが、一般的には、

・土に接する部分が6cm

・土に接しない立ち上がりが4cm

なっています。

ドーナツスペーサーによる鉄筋かぶりの確保(引用元https/osamari.biz/)

かぶりが無い鉄筋には「ドーナツ型スペーサー」を付けて、かぶりを確保することが必要となるわけですね。

ドーナツスペーサー(引用元「京都スペーサー」)

型枠の中のゴミ

型枠の中にゴミが入っていると、コンクリートの中にそのままゴミが入ったままになってしまいます。

ゴミが入ること自体、良いはずはありませんが、特に「大きな木片」などはコンクリートの「欠損」となり、断面積が不足してしまうため、品質に大きく影響することになります。

こういうことからも、整理整頓ができていない現場は品質管理ができていないことになるんですね。

木工事

木造の主役、木工事です。

構造材である木材は全てが見えなくなる、超重要な工程です。

柱や梁、耐力壁といった構造材や金物が設計や仕様通りにできているかを確認します。

図面通りかどうかをチェックできれば確認しても良いですが、なかなか大変ですし、そこまで施主がするものではありませんよね。

施主としては「接続金物」を見ておくと良いでしょう。

接続金物には、
・基礎と土台を繋ぐアンカーボルト、
・基礎と柱(または柱と柱)を繋ぐホールダウン金物、
・筋交い金物
など、木材を固定、結合する金物がたくさんあります。

土台の金物(引用元「たくみのかわら版」)
筋交いや筋交い金物、ホールダウン金物の写真
柱頭の金物の例

これらの金物のビスやボルトに抜けがないかといった取り付け状況を見ておくと良いですね。

また、柱と柱の間に貼る構造用合板も釘の感覚が大切です。

ビスや釘はよ~くみていると、「たまに」忘れていることもあります。見た目に「打ち忘れ」が無いか見ておきましょう。

外壁工事

外壁の工事で重要なポイントは外壁の下地に貼る「防水シート」です。

サイディングは外壁のみでは防水性は完全ではありませんので、必ず防水シートが必要です。

外壁の透湿防水シート(引用元「Wikipedia」)

この防水シートがきちんと隙間なく貼られている必要があります。隙間があったり、貼り方が不適切な部分がかあると、雨漏りしてしまうことがあります。

「窓周り」、「ベランダの取り付き部」、「換気扇などの開口部」といった入り組んだ部分を見ておくと良いですね。

なお、外壁が通気工法である場合は、防水シートは必ず「透湿防水シート」でなければいけません。

断熱工事

断熱工事では、最低限断熱が必要な部位である「1階の床」、「外壁」、「最上階天井」(または屋根)に断熱材を入れます。

建物をぐるっと覆う形で断熱しないと意味が無いんですね。

注意点は「隙間なく」施工されているかです。

断熱材の施工状況(引用元「マルカ加藤製材」)

せっかくの断熱材も隙間があるとそこから熱の出入りが生じますので、断熱効果が薄れてしまうのと、その部分で結露が起こり、カビや腐食の原因となることもあります。

グラスウールやロックウールなどの「充填工法」の場合は特に注意が必要です。

隙間ができやすいのは、外壁面の「窓周り」、「コンセント周り」といったところですね。

まとめ

工事がはじまると、安心してしまい業者に任せっきりになることがほとんどです。

ただし、工事業者も現場監督も職人さんも、ピンからキリまで。

全てが安心できる業者なら良いのですが、そうでは無いこともあります。

不安だからといって、あなたが全てをチェックするのもなかなか大変ですし、する必要はありません。

工事の施工状況を現場監督に説明してもらいながら、写真などで確認すると共に、うまく工事監理者を使う事が大切です。

※工事の流れについてはこちらをご覧ください↓↓↓