はじめに

工事の契約をするためには確認しておくことがたくさんあります。

住宅の購入は何千万という買い物です。工事業者の「○日までに契約してくれれば・・・」とか、「大丈夫です!任せてください!」なんて曖昧な言葉に惑わされず、

必要なことを全て確認してから、契約をしてください。

そして、契約書や約款などの書類は大切な約束事です。とても細かく、読むのも大変かもしれませんが、失敗しないためにも

きちんと目を通して、不明なところは業者に確認する

ことが大切です。

工事の契約までに必要なこと

設計の契約はしている?

工事の契約を考える時期は当然ながら設計が終盤にきていると思われますが、そもそもその設計は契約をしていますか?ということです。

設計はサービスと考えている工務店も未だに多いのですが、本来は住宅の設計も委託契約を締結して依頼をするものです。

住宅の設計費用は安いところで数十万円ですが、きちんとした設計では、通常は100万円以上はかかるものです。

設計費用を取る形にすると、お客様が嫌がるため工事費に溶け込ませているだけですので、設計の契約や費用がどうなっているのかはきちんと確認しておきましょう。

建築士法第22条の3の2
(設計受託契約等の原則)
設計又は工事監理の委託を受けることを内容とする契約(以下それぞれ「設計受託契約」又は「工事監理受託契約」という。)の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。

資金計画の準備はできてる?

注文住宅の工事での支払いは、通常は契約時10%、着工時30%、棟上時30%、引渡時30%といったように工事完了までに分割して支払っていきます。

そのため、住宅ローンを組む場合は支払いの計画を前もって確認しておかなければなりません。

最近はつなぎ融資が可能な住宅ローンもありますが、基本的には住宅ローンは土地と建物を担保に入れるため、建物が完成したあとの融資となることが多いので、自己資金でいくら支払うのか、別につなぎ融資が必要なのかを検討しておく必要があります。

設計は全て終わっている?

工事の契約を正式にする前に、当然ながら設計がきちんと終わっていなければまともな工事はできませんので、あなたが納得できる形、価格で設計が全て終わっていなければなりません。

設計は間取りや外観、仕上げ材料だけではありません。

また、確認申請などの法的な申請書関係がどうなっているのかも重要です。住宅ローンの本審査も確認済証がないとできません。

工事の契約前に確認申請もおりているのが理想ですが、なかなかスケジュール的にも難しい場合がありますので、確認申請がおりる「見込み」は把握しておくことが必要ですね。

工事の契約をしたけれど、設計に法的な不備があり、確認申請が通らず設計の変更をしなければならない、といったことは避けたいです。

設計には一般的に平面図、立面図、断面図、詳細図(矩計り図)、仕上表、各種仕様書※(特記仕様書)、電気設備図、給排水・衛生設備図、構造関係図(軸組図、基礎や梁、屋根などの伏図)、構造検討書(構造計算書)、設備検討書(省エネ関係)

といった図書が必要です。

※仕様書とは、建築材料や設備の品質や機能、メーカーなどの規定事項を表現した図書で、図面だけでは不足する情報を施工者に伝えるためのものです。

工事監理は誰に依頼するか?

工事をするには「工事監理者」が必要です。

工事監理は工事が設計に適合しているかを工事関係者とは別の目線でチェックする品質や性能を確保する上でも大事な役割です。

設計した建築士に頼むのか、第三者探すのかを検討しておく必要があります。

注意が必要なことは、

  工事監理者は「現場監督では意味が無い」

ということです。自分で自分はチェックできませんからね。

工事監理者は施主が選定しますので検討しておかなければなりません。

また、工事監理者も設計同様、「工事監理受託契約」を締結しておかなければいけません。

地盤調査はいつするか?

地盤がしっかりしているかどうかの調査は建築の工事前には必要です。

原則的には工事の契約前には終えておき、地盤の状態に応じた地盤改良や杭の工事を工事の契約に入れておくべきですが、工事の契約の後に地盤調査を行うのであれば、地盤改良や杭工事が必要になった場合、別途工事とするか、工事の契約を変更するという形で進めることになります。

地盤改良や杭の工事は100万以上になることが多く、必要性や費用が不明瞭な場合も多いため、注意が必要です。

工事請負契約書と請負約款って?

工事の契約は建設業法に規定されています。

建設業法第19条
建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従って、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

工事請負契約書

契約の本体です。一般的には以下の14項目があります。

契約書の項目例
1. 工事内容(工事名や建築敷地の住所など)
2. 請負代金の金額
3. 工事着手と工事完成の時期
4. 「請負代金の全部」「一部の前金払」「工事が完了した部分」に対する支払いについて定めるときは、その支払の時期と方法
5. 発注者と受注者の一方から「設計変更」「工事着手の延期」「工事の全部、もしくは一部の中止の申出」があった場合に行う、「工期の変更」や「請負代金の額の変更」「損害の負担とそれらの額の算定方法」について
6. 「天災や不可抗力による工期の変更」や「損害の負担とその額の算定方法」について
7. 物価の変動・変更時に請け負う代金の額の決め方や、工事内容の変更方法について
8. 施工時に第三者が損害を受けた場合の賠償金について
9. 注文者が工事に使用する資材を提供するときや、建設機械などを貸与するときについて
10. 注文者が、「工事の全て」もしくは「一部の完成」を確認するための検査の時期・方法と引渡しの時期
11. 工事完成後に行われる請負代金の支払の時期と方法
12. 工事の目的物の過失に対する責任や、責任の履行に関して行う保証保険契約の内容(その他の措置に関して定めるときは、その内容も)
13. 契約内容の遅れや不履行時の遅延利息、違約金や損害金
14. 契約に関する紛争の解決方法

 

契約には契約書の他にも以下のようなものが必要ですので、全て揃っているかチェックしてください。

 

工事請負契約約款(やっかん)

契約書に付随するもので、さらに詳細を取り決めておくものです。

約款の項目例
1.総則(信義の遵守、設計図・仕様書にもとづく履行など)
2.工事用地
3.関連工事の調整
4.請負代金内訳書・工程表
5.一括下請負・一括委任の禁止
6.権利・義務の譲渡などの禁止
7.特許権などの使用
8.保証人
9.監理者
10.現場代理人・監理技術者など
11.履行報告
12.工事関係者についての異議
13.工事材料・工事用機器など
14.支給材料・貸与品
15.丙(監理者)の立会い、工事記録の整備
16.設計の疑義・条件の変更
17.図面・仕様書に適合しない施工
18.損害の防止
19.第三者損害
20.施工一般の損害
21.不可抗力による損害
22.損害保険
23.完成・検査
24.部分使用
25.部分引渡
26.請求・支払・引渡
27.瑕疵の担保
28.工事の変更、工期の変更
29.請負代金の変更
30.履行遅滞・違約金
31.甲の中止権・解除権
32.乙の中止権・解除権
33.解除に伴う措置
34.紛争の解決

工事見積書(内訳書)

工事の費用を細かく計算して積み上げた資料です。分からなければ工事業者や設計者な確認が必要ですが、非常に専門的な内容ですので、第三者にチェックを依頼するのも手です。

設計図書

設計図面の他にも仕様書を合わせて設計図書(せっけいとしょ)といいます。

仕様書には見積書の他、図面に記載しきれない細かい基準の取り決めがあり、「標準仕様書」といった呼び方をします。

そのような詳細なことも守って欲しいため、以下のいずれかような仕様書によることを明記しておいたほうが無難です。

・日本建築学会の標準仕様書
・住宅瑕疵担保責任保険設計施工基準
・フラット35木造住宅工事仕様書

※記載例:「その他、記載の無いことに関しては、○○仕様書によることとする。」など

工事工程表

工事の流れを書いたものです。細かくチェックは必要ありませんが、着手日、棟上げ、完成日などの要所を確認しておき、支払いに備えておきましょう。

また、どのような時に立ち会うのか、施主の検査が必要なのかも確認が必要です。

契約書、契約約款での注意点

□工事監理者
工事監理者の役割や位置づけについて記載がされている必要があります。設計者なのか、第三者の建築士に依頼するのかなどを決定し、工事までに選定して、契約しておきましょう。

□建設工事場所
建築場所の住所表記が合っているが確認してください。

□工事請負代金や支払い
工事費に関してですね。全体金額はもちろん大切ですが、いつ、いくら払うのかを必ず確認してください。ローンにも関係しますね。契約時10%、着工時30%、棟上時30%、引渡時30%というのが一般的です。

□着工日・完成日・工期
工事の期間(契約期間)が正しいかどうかの確認が必要です。木造住宅の2階建て程度であれば、通常は4~5ヶ月程度は要します。

□引渡し日
引渡しの日は非常に重要です。特に引越しする日程が決定していて、後にずらすことが出来ない場合は必ず確認してください。また、実際に工事が完成してから引き渡しを受けるまでのスケジュールも工程表などで確認しておかないと、バタバタで中途半端に引き渡されても困りますからね。

□設計図書に適合しない施工
契約内容や法規・基準に合致しない工事をしているなら、工事業者の負担により是正するか同等の品質になるように対応させる必要があります。
また、瑕疵や手抜きが疑われる場合に備えて、工事業者の負担により、第三者の建築士による検査も受けることができるようにしておけばベストです。

□第三者の損害
工事中の事故などによって、近隣や第三者の方に損害を与えてしまった場合、工事業者が責任を負い対応することを明確にしておかなければ、発注者である施主の責任になることがあります。

□完成検査の実施
施主の検査について記載があるか、設計図書や法令に合致しない検査に合格しないと引き渡しを受けない旨の記載が必要です。
なお、第三者の建築士などの立会いを入れたい場合は、その旨の記載もしておいた方がいいですね。

□履行遅滞・違約金
請負者に要因があり、工事が大幅に遅れて、契約上の期限までに引渡しができないこともあります。そのような場合の補償や違約金について取り決めてがないと、トラブルとなります。例えば、工事が延びてしまい、住んでいるアパートなどの賃貸契約が切れるのに引き渡しを受けられないため、住むところがないといったパターンも多いものです。

□契約解除(住宅ローン特約の明記など)
場合によっては契約を解除しなければならない場合もあります。契約解除については、施主からの解除だけではなく、天災などにより工事業者の方から解除する場合についても明確にします。

住宅ローンを利用する場合は、ローンの本審査に工事の請負契約書を添付することになるため、工事の契約後に万が一、ローンの本審査に落ちてしまうことになったら工事費用を支払えなくなってしまいます。
住宅ローン特約(融資利用の特約)」は、住宅ローンが利用できなくなった場合に工事の契約を無条件(または自動的に)解除することを定めた特約です。基本的には白紙解除なので、手付金も返ってきます。

□瑕疵担保責任と保証
新築住宅の「柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」は、引き渡し後から10年間のうちに瑕疵(欠陥)が見つかれば、工事業者に対して、無償で補修等をすることが義務付けられています。

まとめ

工事の契約行為は慣れていないとなかなか大変です。契約書や約款だけでも読み込んでいるとヘトヘトになりますし、その上、設計図面や仕様書や見積書・・・と、不安になってきてしまいます。

これらの書類の確認は1人でせずに、ご夫婦の他にも両親や知人にも見てもらうことも必要です。また、これらのチェックは第三者の建築士にチェックしてもらうことも可能であり、プロに違った目で見てもらうことで気づかなかった落とし穴も見つかるかもしれません。



そして、とにかく、私が重要視しているのは、家の品質を守ること。



あなたの大切な住まいが、低品質の危険な家では最悪です。


「あなたのこだわり」と「高い品質」、これらを両立するための方法とはなにか?

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