家づくりにおける日射の遮蔽~不快な日差しはカットせよ!~

こんにちは。

一級建築士のtakumiです。

家づくりでは「日当たり」はとても大切な要素で、薄暗~い家では不健康で気が滅入ってしまう原因になります。

しかし、日当たりが大切とはいえ、夏は日射をうまく遮らないと、暑くてしょうがないものです。

ということで、日当たりは日当たりですが、本日は日射の遮蔽についてです。

暑い夏に、うまく日差しを遮ることができるか、ということですね。

快適な住まいは、太陽光の採り入れをコントロールできることが必須になります。

それではひとつずつ見ていきましょう!

軒や庇の出を確保する

最近は軒の出のない軒ゼロ住宅が増えています。

軒の出や庇は、夏の日差しをカットする役割がありますので、むやみに軒を無くすのはあまり宜しくはありません。

※軒の出の大切さについては詳しくはこちらで解説しています↓↓↓
「軒の出」の重要な役割について考える~軒が無い「軒ゼロ住宅」はここに注意!

夏は太陽高度が高いので、軒や庇によって直射日光が差し込むのを防ぎ、冬は太陽高度が低くなるので、軒や庇があっても窓から日が入るということです。

軒の出の長さは、1.5m程度までなら冬場の太陽高度であれば問題なく窓に光が入ります。

※あまり軒を長く出すと工事費が上がりますので、ハウスメーカーにもよりますが標準的(60~70cm)な出の長さでも良いかと思います。

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ただし、太陽高度が低い時期(冬場)や朝日・西日では、軒や庇ではあまり効果はありませんので、あくまでも夏場の太陽高度が高い時期での直射日光の遮蔽が目的ですね。

窓ガラスの種類を使い分ける

窓ガラスでは、Low-Eガラスという膜をガラス面に施す事によって、性能を向上させているものが主流になっています。

Low-Eガラスには、「断熱ガラス」「遮熱ガラス」があり、それぞれ役割が違うため、設置する場所を考えないといけません。

断熱ガラスは、太陽光の日射は採り入れ、部屋の熱が逃げない仕組みになっています。

遮熱ガラスは、太陽光の日射反射させ遮ることで、日射熱を減少させる効果があります。


YKKAPのホームページより引用
https://www.ykkap.co.jp/consumer/satellite/products/articles/feature/025/

このふたつのガラスを使い分けることで、快適な部屋を計画するわけです。

基本的には、夏に暑苦しくならないようにしたい部屋(方角)に遮熱ガラス冬に熱を逃がしたくない部屋に断熱ガラスを入れます。

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ですので、南向き~西向きの居室だと、夏場の日差しや西日の差し込む位置に遮熱ガラスを設置したり、北向きの居室は冬場に極力、熱が逃げないように断熱ガラスを使うことが多いですね。

カーテンの色も関係する

陽射しを遮るものにはカーテンもあります。

ただし、カーテンは建物の内部にありますので、単にカーテンを設置するのではなく、いかに「反射」させるかで変わってきます。

カーテンには「遮光性」のある素材もありますので、遮光カーテンを採り入れるのもひとつです。

また、太陽光がどの程度反射するかは、カーテンの色でも変わってきます。

カーテンの色が明るく、できるだけ白に近い色(ベージュやクリーム系)だと、反射率が高くなり日射量が少なくなりますから、夏場の陽射し対策には良い色です。

反対に、濃い色だと反射率が小さくなっていきますから夏には適しませんか、冬場には日光を吸収しやすいことになりますので、冬季に濃い色のカーテンをつけるのは良いですね。

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カーテンの色は部屋の開放感にも影響しますので、白系の薄い色・明るい色にしておくと広くて明るく感じる部屋になります。

サンシェードやオーニング(日除け)も役立つ

サンシェードやオーニングは、建物の外部に設置しますので、カーテンと違い直接的に太陽光を遮る役割があります。

サンシェードの事例
オーニングの事例

デザインや構造面、コスト面などで軒の出を出せない場合には、サンシェードやオーニングは日除けには結構、役立つアイテムになります。

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ただし、それ自体に強度はありませんので、強風に弱いため台風など強風が吹く前には畳んで納めておかないといけません。

また、建物と比べても劣化が早いので、消耗品と考える必要がありますね。

方位を気にして計画する

実際に日射の遮蔽を考えるとともに、遮りたい夏場の太陽光の「方位」も考えておく必要があります。

太陽は東から登り、正午に真南にきて(南中)、西へ沈んでいきますよね。

太陽は南中に一番高い位置に来ますから、日が差し込むのは朝日や西日の低い太陽光になります。

どちらの日差しも同じように差し込みますが、夏場でも午前中はまだ気温が上がりきっていないのに対し、午後は気温が高くなっています。

そのため、気温の高くなった後に差し込む西日は、暑苦しく感じる上に、部屋に差し込むとさらに室温をあげる要因にもなります。

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しっかり遮蔽すべきは、夏場の西日が当たる西側の窓ということですね。

まとめ

日射の遮蔽にはこのように色んな手法があり、これらを複合的に採り入れて夏場の日差しや不快な直射日光を遮る工夫が必要です。

快適な住まいのためには「とにかく日当たり」ではなく、不快な日差しはカットすることも大切です。

設計段階では必ず検討しておきたい項目のひとつですね。

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