快適な寝室の設計方法をご紹介~健康な家づくりは寝室の間取りが肝心!

こんにちは。

一級建築士のtakumiです。

本日は「寝室」についてのお話です。

睡眠は健康な生活にはかかせない時間です。

睡眠時間は人それぞれですが、だいたい6~8時間あたりの方が多いのではないでしょうか。

となると、1日の1/3~1/4を寝室で過ごすことになり、さらに、お仕事などで家を出ていることを考えると、家でいる大半の時間を寝室にいる方も多いはずです。

そのような、長い時間を過ごす寝室ですので、しっかり計画して快適な睡眠をとれるスペースにしておきたいものですよね。

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さっそく解説していきます!

寝室の大きさはどのくらい?

まずは寝室の大きさです。

寝室の大きさは他の部屋とのバランス、スペースの余裕度もありますので計画や条件に応じて検討する必要があります。

寝室にスペースを取ってしまい、他の部屋が狭くなって使いづらくなってはいけませんからね。

ご夫婦の寝室の大きさで多いのは、6帖~10帖の範囲です。(1人用の寝室ですと4.5帖~6帖程度)

※ベッドの大きさには、一般的に以下のような種類があります。

・シングルサイズ:97cm × 195cm
・セミダブルサイズ:120cm × 195cm
・ダブルサイズ:140cm × 195cm
・クイーンサイズ:160cm × 195cm
・キングサイズ:180cm × 195cm

※目安の寸法です。

また、例えば寝室に書斎(ワークスペース)を併設する、ドレッサーやタンスなどの家具を置くといった場合にはプラスアルファのスペースを考えて置く必要があります。

以下にシングルサイズのベッドでの、一般的なパターンをあげておきますので、部屋の広さを決める参考にしてください。

1人用の寝室(4.5帖)、2人用の寝室(6帖)、2人用の寝室(8帖+ドレッサー)、2人用の寝室(10帖+ワークスペース+ドレッサー+洋タンス)
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シングル二台の場合ですと、家具を置かないにしても6帖位はないと狭苦しくなります。

寝室は何階に配置する?

次は寝室を配置する階数です。

一般的には、上階になるほど静かで、景色が良くなり、南向きなら日当たりも良くなル傾向があります。

2階建てなら2階、3階建てなら3階ということが多いようですね。

上階に配置するデメリットとしては、階段の昇降があるということです。

特に、3階への昇り降りは歳をとるとつらいということもよく聞きますので、年齢とともに別の部屋を寝室に変更するといった計画もしておくとベターです。

日当たりや景観は上階より条件は良くないことが多いですが、1階に寝室を配置する計画もよく拝見します。

もちろん、平屋もそうです。

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バリアフリー的なことも考えて、LDKと水回り、寝室を1階に配置出来れば、階段を使わずに生活ができますので、老後を考えて平屋建てや1階で生活ができる間取りを計画できると良いですね。

配置で注意すること

・日当たり

寝室の計画において「日当たりが良い部屋にしたい」という要望もあるかと思います。

ただ、寝室というのは一般的には「寝るだけ」の部屋になることが多いので、一日通して明るい部屋とする必要性は低いことが多いように感じます。

可能なら、東向きの窓を配置すると、朝日が入りますので快適な朝を迎えられますので、東に向いた部屋の配置にできるとベターですね。

・子供部屋との位置関係

寝室と子供部屋とは壁一枚で接しないようにする必要があります。

やはり寝室というのはプライバシーせいが高い部屋で、ご夫婦の営みもそうですし、お子様と睡眠時間帯の違いがあることも多いので、物音が聞こえにくいように計画する必要があります。

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具体的には、部屋と部屋の間には収納や廊下を介する(挟む)ようにすることです。

・トイレの位置

トイレもプライバシー性が高いスペースです。

トイレが接してしまうと、横で睡眠中なのに夜中にトイレを流す音などトイレ内の音が丸聞こえになることがあります。

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寝室に限らず、トイレは居室(人が滞在する部屋)には接しないように注意しておきましょう。

・バルコニーへの出入り

上階にバルコニーがある場合は、主寝室からバルコニーへの出入りを考えておきます。

共有の廊下やホールからバルコニーへ出入りできると良いのですが、そうすると廊下やホールが大きくなることもありますので、基本的には寝室からバルコニーへの出入りにします。

子供部屋からバルコニーの出入りのみとなると、布団や洗濯物を干す際に、毎回子供部屋を通らないといけないため、使いづらいとされることがあるためです。

寝室からバルコニーへの出入り
廊下からベルコニーへの出入り

・夫婦別の部屋で寝る場合もあり

ご夫婦が就寝する際に、夫婦別の部屋で寝られることもよくあります。

結婚当初から別の部屋で寝られることもありますし、途中から「いびき」や「狭い」「睡眠時間帯のズレ」といったことから別々に寝るようになられる方もおられます。

お子様が巣立った後に、お子様の部屋を使って別々で就寝するようになることもありますし、和室などの「余裕のスペース」が設けられる場合は、将来的に別々でも寝られるように寝室にすることも考えておきましょう。

寝室の収納形式

寝室には収納を計画することも大切です。

しっかり収納を考えておかないと、生活動線、家事動線ともに使いにくい計画となってしまいますからね。

収納には「ウォークインクローゼット」と「壁面収納」があります。

近年人気なのはウォークインクローゼットですね。

 

ドアが少なくて済むので壁面収納よりコストを抑えられるメリットがあり、廊下からも出入りできる「ウォークスルー」とすると便利な動線計画も可能になります。

ただし、ウォークインクローゼットは内部に「通路」が必要なので、収納効率は悪くなります。

その点、壁面収納の場合はドアが多くなる分コスト的には不利ですが、通路が不要なため収納効率は良い形ではあります。

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収納の形にこだわるのも良いですが、間取りの内容に応じてバランスよくウォークインと壁面収納を使い分ける必要があります。

※収納に関する記事はこちらで詳しく解説しております↓↓↓

片付く収納のためにはウォークインクローゼットをマスターするべし~収納計画は間取りの基本~

注文住宅で収納の失敗例は多い!間取りで使いやすい収納の形状や大きさは?

寝室の窓の計画

寝室の配置が決まってくると、次に大事なのは窓の計画です。

窓には明るさを得る「採光性」と外部との繋がりによる「開放性」、外部の空気を直接的に入れる「換気性」といった機能があります。

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寝室で注意すべきことは、あくまでも寝ることが大事な部屋ですので、外部との繋がりは最小限にしないと、就寝時に無用な騒音や光が入ってくることになります。

建築基準法では、居室の窓の大きさは採光には「部屋の面積の1/7以上」、自然換気には「部屋の面積の1/20以上」と決められていますので、これらをクリアしつつ、窓の配置や大きさを決めていく必要があります。

大きな窓を配置すると、騒音や無用な光が入り込むこと、また断熱性能にも影響しますので、小さめの窓を複数配置する方向性で考えると良いでしょう。

その際に、

・東から「朝日を採り入れる」

・ベッドの頭の真上にはできるだけ配置しない(冬場、冷気が降りてくる)

・できるだけベッドのすぐ横に開閉窓を配置しない(落下の危険性)

・西側は「西日の差し込み」があるので小さめの窓にする

風の抜けを良くするには複数の窓を離して配置する(風の入り口と出口を意識)

プライバシー性を意識して、道路や隣家から丸見えにならないように

といったことが重要になります。

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寝室の照明計画

間取りが決まれば、次は照明の計画です。

先程も申しましたように、寝室は日中はあまり滞在せず、主に就寝前~就寝時(夜間)に利用することが多い場所です。

そのため、照明の計画はしっかり考えておきたいところです。

下の写真にもありますように、照明の色には種類があり、白色に近い方が太陽光に近い日中の屋外に近い色になります。

仕事をしたり勉強をするスペースには昼白色のようなハッキリした色を使用する必要があります。

逆に、電球色は黄色くて温かみのある色ですのでリラックスすることができます。

就寝前は副交感神経を優位にし、質の良い睡眠がとれるように、照明の色にも注意する必要があります。

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基本的に、寝室などリラックスしたい部屋の照明の色は柔らかく温かみのある「電球色」を基本として、あまりハッキリ見える昼光色よりの色にはしないように気をつけましょう。

掲載元:パナソニックさんhttps://sumai.panasonic.jp/lighting/home/synchro/kousyoku_kirikae/

ダウンライト

ダウンライトは天井面をスッキリさせ、シンプルで飽きのこないデザインになるので人気のある手法です。

ダウンライトで注意すべきことは、ダウンライトは光源が視界に入ると「眩しい」「不快」となることです。

結構、キツイ光ですからね。

調光機能で電球色で緩い光にしておけばまだマシですが、ベッドの真上、頭の真上への配置は避けるべきです。

間接照明

寝室はリラックスしたい部屋ですから、明るすぎて刺激のある照明はタブーです。

就寝前に明るい光を見たり浴びたりすることで、寝つきが悪くなる、睡眠の質が悪くなるといったことも言われています。

そのため、間接照明で柔らかい光をメインにすることも有効です。

無難なシーリングライト(シーリングソケット)

照明にそれほどこだわりがない場合、色々変えたい場合には部屋の中央にシーリングソケットをつけておくのが一番無難です。

そうすれば、色んなシーリングライトやペンダントライトもつけられますので、特に希望がない方にもオススメです。

もちろん、シーリングソケットにダウンライトや間接照明を合わせて、複合的に配置するのも効果的です。

※照明の計画で迷ったら↓↓↓
電気図のチェック(照明・スイッチ・コンセント診断 )

まとめ

家づくりでは、LDKや家事動線といったこと二集中してしまい、結構大事な安眠を左右する「寝室」の計画が疎かになっていることがよくあります。

解説してきましたこれらの事柄を全て完璧に採り入れることは難しいかもしれませんが、一通りを頭に入れて頂き、少しでも快適な寝室にできるよう、家づくりを進めていってくださいね。

takumiのnoteでも家づくりに関する記事やコラムを書いていますので、よろしければまたご覧下さい⇒note takumi

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