注文住宅の防音・遮音の必要なところって?~やむを得ない時には「遮音壁」の設置!

こんにちは。

建築コンサルタントのtakumiです。

本日は戸建て住宅の「遮音」について解説します。

最近の戸建て住宅は、LDKを中心とした「一体感」のある間取りが多くなっています。

特に、家全体が一体的で全ての部屋が吹き抜けに面しているような、「家族の集い」を強くイメージするものもあります。

リビングやキッチンからも、各部屋での気配が感じられる、というような、壁はあるけども家自体がひとつの空間のような間取りも多くなっています。

 

ただし、家族といえども一定のプライバシーは必要なものです。

 

一体的な空間で、家族の団欒、コミュニティを形成しながらも、一人の時間、夫婦の時間、またトイレやお風呂といったプライバシー空間が、「気になる」ことのないように、快適な家にしたいですよね。

 

また、「テレワーク」「リモートワーク」というように、自宅で仕事をする際にも、家族の生活音が気になることもあります。

※テレワーク・リモートワークに関する記事はこちらをご覧ください。⇒リモートワーク(テレワーク)に対応する家づくり~書斎・ワークスペースを造るコツをご紹介

遮音に関しては、プライバシーの高いスペースの周りに「収納」や「廊下」などの緩衝(かんしょう)のスペースを設けることが第一なのですが、必ずしも緩衝的なスペースを入れられるとは限りません。

※このように本来はプライバシー性の高いスペースは収納や廊下などの「緩衝スペース」を間に挟む

そのため、やむを得ず壁一枚で接してしまうことになる場合にどうするべきなのか?

 

では、実際に家の間取りにおいて、プライバシー性が高いスペースを考えてみましょう。

トイレ

まずはトイレですね。

トイレの音は、「普通」は気になるものでだと思います。

トイレの音って、聞こえるのも、聞かれるのも嫌なものですから、トイレはプライバシーのかたまりだと言えます。

トイレは居室とは離して、廊下や収納などを間に挟んで配置すべきなのですが、どうしても無理な場合は遮音壁を設置します。

寝室~子供部屋

ご夫婦の寝室と子供部屋との間もプライバシーに配慮したいものです。

お子様が小さいうちはまだ良いのですが、少し大きくなると、お子様も自分の部屋で就寝しますし、夜更かししてすぐに就寝しなくなったりします。

さすがに、壁一枚向こうの部屋のお子様が起きていると、ご夫婦の夜の時間も気になりますよね^^;

お子様が小さいうちは、寝室から子供部屋は近い方が良いかもしれませんが、大きくなると、お互いに生活音はできるだけ聞こえない環境が適しています。

寝室~子供部屋の間にも廊下や収納を入れることが最適ですが、それか困難な場合は、遮音壁とします。

浴室~居室(プライベートルーム)

部屋の隣がお風呂の場合、「静かな部屋」では結構、気になることがあります。

LDKにお風呂が接することはよくありますが、LDKはテレビや喋り声など、ある程度音のある空間ですので、雑音の中でお風呂の音はあまり気になりません。

でも、寝室とする部屋など静寂な空間では、お風呂のシャワーなどの音は結構聞こえてしまいます。

お風呂に各寝室が接しやすい間取りは、二世帯住宅や平屋建て、2階リビング(1階に風呂と各個室)などでもよくあることです。

お風呂と居室の間に廊下や収納といった緩衝とするスペースを配置できれば良いのですが、なかなか上手くいかないことも多いため、遮音壁としておくと良いです。

リビング(テレビ)~寝室など

こちらも、平屋建てや1階に寝室を配置した場合に多いものですが、リビングのテレビの音が隣室に筒抜けとなってしまうことがあります。

他の部屋のテレビでも同じことではありますが、リビングのテレビはどうしても音が大きくなりがちで、家族の就寝時間の違いによって、テレビ音が気になることがあります。

遮音壁の仕様と効果

では、遮音壁というのはどういうものなのか、その仕様を見てみましょう。

遮音壁の仕様にも色々あります。

◆図は吉野石膏さんのホームページからお借りしました。↓↓↓

引用元:吉野石膏さんHP(https://yoshino-gypsum.com/special/sekkou/13)

音の大きさはdb(デシベル)という数値で表しますので、80dbの音が25dbにまで減少する仕様ということです。

どれくらい音が小さくなるかという指標に透過損失(とうかそんしつ)というものがあり、[TL:単位db デシベル]と言います。

ですので、この壁の透過損失[TL]は
80db-25db⇒55dbとなります。

こちらはマンションの界壁や会議室などに使うような、結構、本格的な防音壁の仕様となります。

基本的には、石膏ボードの間(壁の中)にグラスウールなどの断熱材を入れることで、吸音効果を高め、石膏ボードを二重にしたり強化石膏ボードとすることで、遮音性を高める(吸音と音を跳ね返す)効果を高めます。

このような遮音壁では、中~高音域の音を遮る効果は高まりますが、低音域の音はなかなか抑えきれないのが事実ではあります。

重低音を遮る材料は、「質量が大きい物質」が条件となるため、「防音(遮音)シート」のような高密度のシートなどを仕込む必要があります。

ただし、一般的なご家庭では、部屋間の防音・遮音であれば中~高音域を抑えられれば、それほど問題はないと思われます。

まとめ

家づくりの間取り計画では、まずはどの部屋がプライバシーが高いのかを見極めましょう。

紹介しましたように、トイレや寝室、そしてお仕事をする書斎もそうですね。

そして、プライバシー性の高い部屋やスペースの周りに収納や廊下を配置して、干渉スペースを設けられるか検討します。

 

計画の中で、どうしても干渉スペースが作れなければ、遮音壁とする必要があるということでしたね。

遮音壁の仕様について、記事にて一例を示しましたが、ハウスメーカー・工務店さんによって、違うやり方もあるかと思います。

 

まずは業者さんに確認してみて、必要なところには遮音性を高めるために、遮音壁を設置しましょう。

 

noteでも、家づくりのコラムをたくさん書いていますので、またご覧下さい。

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