片付く収納のためにはウォークインクローゼットをマスターするべし~収納計画は間取りの基本~

はじめに

こんにちは。

一級建築士のtakumiです。

 

間取りの計画では、収納の計画というのは「片付く部屋」をつくる上では、非常に重要です。

まず、ものを入れるスペースがなければ、片付くわけがありません!

そして、使いにくい収納ばかりあっても、うまく収納できず、効率的に片付かないので、「スッキリ」とはいきません!

今回は、そんな収納の主役である、「ウォークインクローゼット」について詳しく解説したいと思います。

ウォークインクローゼットとは

まず、ウォークインクローゼットってなんでしょう?

その名の通りなのですが、クローゼットの中に入って服を選んだり整理したりするスペースです。

普通のクローゼット(壁面収納)は、部屋の壁側に面してつくられますが、ウォークインクローゼットは、ひとつの部屋としてつくります。

WIC」と表記したり、最近では家族みんなで使う「ファミリークローゼット」もウォークインタイプが多く使われます。

※ファミリークローゼットについてはこちらでも解説しています↓↓↓

ランドリールーム(洗濯室)とファミリークローゼットは採り入れるべき?~家事動線・間取りの考察~

このウォークインクローゼットに対して、奥行きが70cm~90cm程度のものを壁面クローゼット(または単にクローゼット)と言います。

ウォークインクローゼットの参考写真

 

壁面クローゼットの参考写真

ウォークインクローゼットのメリットとデメリット

WICのメリット

まず、ウォークインクローゼットの一番のメリットは、「部屋がスッキリする」ということです。

通常の壁面収納の場合は、大きくするとその分、収納のドアも増えてしまいますが、ウォークインクローゼットの場合は、入口ひとつで済みます。

そして、中で着替えられることもメリットです。

少しゆとりのあるWICなら、クローゼットの中はいわば衣装部屋ですから、シャツからインナーからボトム、アウターと全てのアイテムを入れておけることから、「服を選ぶ時にスムーズ」ということです。

takumitakumi

また、イニシャルコストとしてもドアの数量が少なくなるので、工事費を抑えられるメリットもあります。

WICのデメリット

ウォークインクローゼットのデメリットは、実は収納の効率が良くない、ということとです。

ウォークインクローゼットは収納の中に「通路」が必要ですから、どうしても収納効率は悪くなります。

takumitakumi

同じ2帖を収納に使うなら、ウォークインクローゼットよりも、通路の要らない壁面クローゼットの方が、収納可能な「体積」は大きくなるということです。

効率的なウォークインクローゼットの形

ウォークインクローゼットは中に通路が必要なので、あまり大きくすると通路もその分増えますので、スペースを大きくするほど面積効率は悪くなります。

ですので、両側に収納スペースをつくって真ん中を通路とすることが効率的です。

そのため、2帖~3帖程度が適度な大きさとなります。

クローゼット内部の寸法配分としては、下図↓↓↓のようになりまず。

ウォークインクローゼットの通路と収納の配分

このように通路(50~60cm程度)と、両側(もしくはコの字)に奥行50~60cmの収納スペースをつくることが最も効率的となります。

下図のように意図もなく幅が中途半端になると、通路スペースが大きくなり非効率となるわけです。

※通路にゆとりがあると中で着替えたりするにも使いやすくなりますので、面積に余裕があればOKです。

ウォークインクローゼットの幅の比較

基本的なWICの形状は、上段とハンガーパイプがあり、中央から下はオープンとなっていて、通常は収納ケース(クリアケース)を積み重ねたり、チェストを置いたりします。

シャツ類が多い場合には下の写真のように、ハンガーパイプを二段にすることもあります。

ハンガーパイプ2段のクローゼット

ウォークインクローゼットの場所の検討

では、実際に間取りをつくる際に、ウォークインクローゼットの場所はどのように決めるのか、どこに設置するのかを検討しましょう。

◆場所の候補としては、まずは主寝室に接する形です。

ご夫婦の寝室というのは、大きな収納が必要な部屋ですから、大きめのウォークインクローゼットを設けておけば、服以外の荷物も収納することができ、便利ですね。

takumitakumi

主寝室に接して設けるウォークインクローゼットの大きさは、最低でも2帖、できれば3帖程度あるとスムーズに収納ができます。

主寝室にWICを配置

◆もうひとつは、ファミリークローゼットのようにリビングや洗面に近い場所や、廊下に面した場所に配置することもあります。

ファミリークローゼットの場合は、家族全員の「普段着」「制服」「仕事着」などを入れますから、できれば3帖程度あるとよいですね。

※ファミリークローゼットについてはこちらの記事でも解説しています↓↓↓

ランドリールーム(洗濯室)とファミリークローゼットは採り入れるべき?~家事動線・間取りの考察~

ただし、1階に設けることが多いため、大きな面積がとれない場合もありますから、「制服や下着」といった必要最小限の面積にして、残りは各プライベートルームへの収納でもかまいません。

1階へのファミリークローゼットの配置

ここで注意点としては、デメリットにもありましたが、ウォークインクローゼットというのは、「通路」が必要な収納ですから、大きく作れば作るほど、面積の使い方は非効率となることです。

他にもウォークインタイプの収納にはパントリーやSC(シューズクローク)もありますから、プランが面積的に厳しい場合には、これらも含めて、ウォークインタイプの収納を「壁面収納」にすることも検討が必要です。

ウォークインクローゼットの注意点

ウォークインクローゼットは壁面クローゼットと比べて注意する点があります。

それは、「換気」ですね。

壁面クローゼットの場合は居室にくっついている収納ですから、ドアを開けて居室と一緒に換気しますが、ウォークインクローゼットの場合は単独の部屋ですので、個別に換気を考えなければいけません。

換気の方法として、一番良いのは小さくて良いので換気用の窓をつけることです。

ウォークインクローゼットは湿気や臭気がこもりやすいので、窓を開ける自然換気によって、空気の入れ替えをしてあげる必要があります。

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ただし、日当たりが良い場所だと、窓からの日差しによって、服が日焼けすることもあるので注意が必要ですね。

窓が設けられない場合には、換気扇によって機械換気をする必要があるということです。

まとめ

便利なウォークインクローゼットですが、結構な比率で通路を取られるため、多用しすぎると、非効率な「もったいない」間取りになります。

ただし、ウォークインクローゼットは使いやすくて、整理もしやすいため、上手く採り入れて、片付けのしやすい間取りにしたいところです。

※シューズクロークについてのnote記事はこちらです↓↓↓

今どきの間取り必須、シューズクロークに着目!

※収納の奥行についてのnote記事はこちらです↓↓↓

片付く収納は「奥行」がポイント!~間取りの収納計画実践編~

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