こんにちは。

建築コンサルタントのtakumiです。

 

安全な家づくりのために、色々調べている方は既にご存知かもしれませんが、建物の耐震性は建物の形に大きく影響されます。

 

施主さんの中には、

「耐震等級3」同等なので大丈夫

と思っている方も多いのですが、これは半分正解で、半分間違いです。

と、言いますのも、耐震の数値が同じでも、いびつな形状の建物よりも「長方形」のような整形な建物の方が地震に強いためです。

構造計算をしていても木造住宅の構造計算は、ビル建築のような精密なものではなく、比較的単純ですので、建物の形が正確に結果に反映できないことがあるのも事実なのです。

takumitakumi

そのため、できるだけ複雑な形力の伝わりにくい形を避けて、シンプルな外観にする方が安心なんです。

それでは、「木造軸組工法」(在来工法)の場合、建物の形が耐震的にどのように影響するのか、構造計算では分からないことも多い、「耐震上不利な形」を解説していきましょう。

欠けや出っ張りは少なめに

聞いたことがある方もおられると思いますが、建物はできるだけ真四角で、総二階のような形の方が耐震性は向上します。

真四角、総二階の建物の方が耐震性が高くなるというのには理由があります。

少々の凸凹はもちろん大丈夫ですが、凸凹が大きい、または多い建物は、その変形部分に力が集中したり、きちんと力が伝わらなかったりするので、耐震性に不利になってきます。

構造体としてなるべく整形な四角の方が地震や強風などの外力が

耐力壁⇒梁⇒柱⇒基礎⇒地盤

と、伝わりやすいためですね。

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シンプルな形はシンプルに力が伝わる、ということですね。

力のつたわり方
外力のつたわり方

大きな吹き抜けは不利!

地震などの力というのは、耐力壁だけで踏ん張っている訳ではありません。

「床」や「屋根」の面が弱いと地震で建物がひねってしまいますので、床の面や屋根の面に「火打ち梁」を設置したり、床を「ガチガチ」に固める「剛床(ごうしょう)」とすることで、ひねりの力にも対応するわけです。

吹き抜けの「火打ち梁」
釘を密に打って床をガチガチに固める「剛床(ごうしょう)」の工事写真

大きな吹き抜けというのは、そのような「固い床」が抜けている場所になります。

そのため、化粧の火打ち梁を設置するなど床の耐震性を確保しないと、大きな弱点になってしまいます。

takumitakumi

「床」というのも耐震性には大きく関わってくるんですね。

縦にも横にも広い部屋

部屋の広さも、耐震性に影響します。

広いとダメな訳ではなく、部屋の短辺の長さですね。

細長~く広いのはOKです。

柱と柱を繋ぐ部材を「梁(はり)」と言い、力を伝えたり、上に乗るものを支えたりします。

部屋の短辺の梁の長さが長くなると、耐震性に大きく影響してきます。

特に、2階建ての1階の梁は2階を支えながら地震の力も伝えますので、長くなると不利になります。

そのため、梁の長さは、構造計算をしない場合では4メートル未満におさえる必要があります。

下の図のように、大きな空間でも短辺が4mを超えないように設計してもらうことがほとんどです。

各部屋の短辺の長さが4m未満の間取り例

通常は、このように部屋の幅(短辺)は2間(にけん=3.64m)とすることが一般的ですね。

梁の長さが4mを超えてくると、地震や台風の力で梁が壊れる可能性があるのと、普段でも支えられている床が揺れることがあります。

短辺が4mを超える間取り例
短辺が4mを超える間取り例
takumitakumi

ですので、↑↑↑上の図のように、短辺が4mを超えるLDKとなる場合には、、、

構造計算をして、詳細にその梁や建物全体の構造の安全性を確かめてもらう。

ということが必要なんですね。

インナーガレージも要注意!

インナーガレージって、いいですよね。車好きには必須かもしれません!

インナーガレージというのは建物の一部にガレージが入り込んでいるタイプの形態を言います。

1階にインナーガレージのある3階建て

インナーガレージの弱点は、ガレージの入り口部分です。

開口が大きくなりますから、その部分には「耐力壁」が入らないので、まさに「ウィークポイント」となります。

インナーガレージを設ける場合は、「構造計算」をしてもらうことが、ひとつ重要ポイントです。

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また、開口の大きいガレージの上にはできるだけ2階を乗せないことも、検討ポイントですよ。

1階と2階の柱の位置

先程も記載しましたように、地震の力は、

耐力壁⇒梁⇒柱⇒基礎⇒地盤

という順に伝わりますから、2階の柱と1階の柱の位置は、なるべく合致していないと地震の力が伝わらないことになりますね。

よく言う、「直下率」を高めるというのは、この柱の位置が1階と2階でなるべく合うようにする必要があるということです。

また、直下率は何割以上必要か?

なんてことも、ネット上でも話題になることがありますが、直下率が「○割以上なら良い」という数値自体は、実際にはあまり意味がありません。

もちろん、率は高い方が良いのですが、高ければ良い訳ではなく、

2階の「耐力壁」からの力を1階へ伝えるために効率的な柱の配置となっているか?

が肝心ということです。

さらに言うと、2階の耐震壁のすぐ下に1階の柱がある形を目指したいところです。
↓↓↓

力のつたわり方
外力のつたわり方

そして、「壁の」直下率という言葉も聞きますが、木造軸組工法では壁の直下率は関係なく、あくまでも「柱の直下率」が耐震には関係するということを把握しておきましょう。

※木造軸組工法で「壁の直下率が大切」などという間違った概念をもつ建築士は、あまり構造には詳しくないと考えましょう。

※専門的な話になりますが、端部(隅柱)の耐震壁の位置が1階と2階で合っているとひとつの柱にかかる引っ張り力が大きくなり、構造的には不利な形となるため、力を分散するためにも、耐震壁は1階と2階でずらす検討も必要になります。

※ただし、ツーバイフォーなどの「枠組壁工法」の場合は、1階と2階の壁の位置が合っている必要があります。

ちょっと難しい話になりましたが、この柱の位置についても、建物の形がシンプルだと、自ずと1階と2階の大事な柱の位置も合わせやすくなるというものです。

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簡単な例では、総二階のサイコロのような建物形状だと、柱の配置もシンプルですから、耐震計画も有利になります。

まとめ

家づくりで大切なことは、まずは安全性です。

地震や台風に対して安全でないと、どれだけ間取りやデザインをこだわっても、待ち受けるものは後悔です。

外観のデザインや間取りの自由さも大事なことではありますが、やはり、最終的には建物の「強さ」を優先して頂きたいところです。

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