建売住宅の購入はどうなの?~注文住宅との違いは?品質やデメリットに注意!~

こんにちは。

一級建築士のtakumiです。

住宅の購入を検討する時に選択肢として考えられるのが、注文住宅、中古住宅、そして建売住宅です。

建売住宅は、既に仕上がっていますので、実際に出来上がっている間取りで生活をイメージすることができます。

また、コストも手頃なものが多いといったメリットもあります。

では、建売住宅は実際のところ本当にお買い得なのでしょうか?

安く抑えているのには理由があり、当然デメリットが存在します。

良い物件があっても、価格が手頃だからといって飛びついたりせずに、品質やスペックをきちんと把握し、注意して進めましょう。

費用が安い理由

建物住宅は、価格的にコストを抑えたものが多いと思います。

まず、販売価格ですが、建売住宅は土地の価格と建物の価格の合計で販売しています。

その付近の地価を調べてみて、土地の値段を確認すれば、建物が凡そいくらかが分かります。

トータル3,000万円のうち、土地が2,000万円なら建物は1,000万円です。

建物の㎡単価、坪単価を算出すると建物のグレードが分かりやすくなります。

建売住宅は意図的に価格を抑えて設定していることがほとんどですが、ではなぜ、安く出来るのでしょう?

①量産するため材料価格を抑えられる

建物住宅は同時期にいくつもの住宅を建てる(連棟)ことが多いものです。

何棟か同じような住宅が並んでいるのをよく見かけるのは連棟の建売住宅です。

複数の住宅を一度に施工することにより同時期に同じ材料をたくさん購入するため、下請け業者やメーカーからの仕入れ値を安く抑えることができるのです。

②職人の工賃も安く抑える

材料費と同様に下請け職人の費用も安く上がります。

職人の給料が安くなるのではなく、同時期に同じような工事をいくつも行うため、職人としても効率よく仕事ができるためです。

1日に遠い2つの現場を回るより、同じ地域で3つの現場をこなす方が移動時間も節減できるということです。

③安い材料を使う

これは業者にもよりますが、一般的には注文住宅よりもスペック(仕様)を少し落とした材料を使うことがほとんどです。

特に、材料の数量が多い構造材や外壁、フローリング、壁紙クロスといった部位は、コスト削減しやすいところです。

・木材を外国産の安い樹種とする

・厚みの薄いサイディングにする

・プリントのフローリング材を使う

と、色々とコスト削減をしている事が多いのです。

建売住宅を見た後に、住宅展示場などの事例と見て比べてみてください。

住宅展示場はハイスペックなものが多いのですが、仕上げ材の質感の違いはよく分かると思います。

注意したいこと

では、気に入った建物住宅があったらどのようなことに注意が必要なのでしょう。

基本的には注文住宅で気をつけたいことと同じですが、ここでは品質に焦点を当てて「確認すべきこと」をあげておきます。

①地盤はしっかりしているのか?

既に建っている建売住宅も地盤はとても大切です。

地盤が緩いと当然、地震に弱いものです。

地盤が悪い場合は、地盤改良や杭が施工されているのかを確認しなければいけません。

地盤がしっかりしている場合もしていない場合も、その証拠があるかですね。

「地盤が安全な証拠はありますか?」

「地盤調査の結果はありますか?」

「調査の結果、(地盤が悪い場合は)地盤改良はしていますか?」

といった質問を必ずしてください。

②見えない部分の品質は大丈夫なのか?

構造体や断熱材など、見えない部分の品質は一番気になるところです。

建売住宅では手抜き工事で瑕疵、欠陥住宅となっているケースも多いものです。

安く抑えるために、手間を省いてしまっている物件が、少なからず存在します。

詳しい工事書類が残っていれば、第三者の建築士などの専門家に見てもらうこともできますが、なかなか詳細な書類を残している業者はいません。

多くの建売住宅では、隠蔽部分の工事写真や証拠資料を確認できないものです。

そこで、現況の調査をしてもらうことも有用な手段です。

ホームインスペクターといった住宅の調査員に依頼して、床下や小屋裏など見えない部分を調査してもらうことで、ある程度の品質は分かってきます。

ただし、それでも大事な構造体や雨仕舞い、断熱材の施工など、見えない部分も多く、インスペクターだけでは確実とは言えません。

③仕上げ材のスペックは低レベルではないか?

建売住宅では見えている仕上げ材も仕様を落としてコストを下げている場合が多いです。

それを分かって購入するなら良いのですが、後から「安物」と知るのは気分も悪いものです。

良い品質・スペックの物件を見てから、建売物件を見るようにしましょう。

屋根葺き材、外壁、フローリングなど施工面積の大きい部材は、安い材料を使うとかなりコストを抑えられるため安い材料が使われがちです。

これも判断が難しい場合は専門家に同行してもらったりアドバイスを求めてみるのも良いですね。

間取りやデザインといった、見た目だけでパッと見だけでは判断しないことが大切です。

④信頼できる工務店、不動産屋か?

当然のことですが、どこの業者がつくったのか?は最も重要です。

大手ハウスメーカーなら世間体もあり、ある程度品質も確保しているだろうし、老舗工務店なら実績もあるだろうし悪いこともしないかな?

といったことも判断材料のひとつにはなります。

ただ、「たくさん売っている」=「安心」とは限りませんので、上記の①~③をしっかり見極めて、さらに、建てたビルダーや工務店などの評判も考慮して、慎重に検討したいところです。

その他~前面道路の形態にも注意!~

建売住宅だけでなく中古住宅や土地を購入する時も同じですが、前面道路が公道かどうかに注意してください。

建築基準法では建物が建つ道路は公道だけでなく、私道でも建築が可能です。

よくあるのは「位置指定道路」や「みなし道路(2項道路)」といった道路の中には、所有者が付近の土地所有者で分割されていたり共有名義になっていたりします。

道路は公共が所有・管理していなければ様々なトラブルとなってしまいます。

私道はその道路の維持管理や修繕も所有者の責任です。

このような問題点があるため、私道に面する物件は安くなっていることがあります。

物件を見る時には、道路の所有者が誰であるのかといったところも注意してください。

※前面道路の注意点に関しては詳しくはこちらをご覧ください↓↓↓

住宅の土地選びは前面の道路に要注意!~建築基準法の道路には様々な形態がある~
※その他にも土地選びでの注意事項はこちらをご覧ください↓↓↓
住まいの土地探しはどんな基準で選ぶべきなのか?~安全で住みやすい土地をさがす~

建売住宅にメリットはあるのか?

では、建売住宅にはメリットがあるのか?ということです。

建売住宅のメリットは、「無難な間取り」です。

注文住宅の多くは、住む人の要望やこだわりに合わせてオリジナルな間取りになっているものです。

対して、建売住宅は万人受けするように「無難」な間取りとなっている傾向があります。

無難というと面白みがないと感じるものですが、多くの建売住宅は無駄が少なく、各動線も短くなるよう計画されているものです。

間取りにデメリットが少ない

ということです。

もちろん、建売住宅にも様々な間取りがありますので、あなたの家族にとって使い勝手が良いのかを検証する必要はありますので、いくつも回ってみることが大切です。

まとめ

出来上がっていて、生活をイメージしやすい、安くて購入しやすいといったメリットがある反面、手抜き工事や品質を見抜くのは、一般の方にはなかなか困難なことです。

個人的には、建築の知識や経験がない方には建売住宅はおすすめしません。

コスパが悪い物件がほとんどであると思います。

工事監理者も自社の設計担当で名前だけなのでしょう。チェック機能も働いていませんからね。

実際のところ、建売住宅では手抜き工事が多いのも事実です。

手抜きとまでいかなくても、雑な工事になるものです。

これは、やはり工期が短いことにも起因しますが、現場監督や職人も「特定の施主」のための仕事ではないという事もあげられます。

現場監督や職人も「この人の家を造る」という気持ちがあるのと無いのとでは気持ちも違いますよね。

だからって、手を抜いてはダメなのですが…

もし、気に入った建売住宅があれば、

・第三者の建築士などの専門家に相談や調査を依頼したり

・工事写真や品質管理の書類がどのくらい残されているのか

・不動産屋は信用できるのか

といったことを総合的に検証・勘案して、慎重に判断してください。

間違っても、「人気があるのでもう売れちゃいますよ?」なんて言葉に騙されず、冷静に考えてください。

※家づくりの記事はnoteでも執筆していますのでまたご覧ください^^⇒takumiのnote

▼     ▼     ▼     ▼     ▼     ▼

知らずに建ててはいけません

家づくり、間取りの計画で外せない

『絶対に押さえたい7つの重要ポイント』

一級建築士takumiが解説しています!

 

失敗しない家づくりのための、無料のメルマガ講座への登録でプレゼント中

こちらをクリックして今すぐ確認 ↓ ↓ ↓


また、当サイトに関するご意見や家づくりのサポートに関するご相談は、こちらのフォームからお問い合わせください。

↓↓↓