はじめに
こんにちは。
一級建築士のtakumiです。
住宅を建築・購入すると、必ず行うのが「引越し」です。
住宅の設計や購入では、引越しのことも念頭に入れて計画していないと、引越し当日にあれやこれやとトラブル・不具合が生じるものです。
引越しの計画も十分考えて頂き、住宅を計画しましょう。
冷蔵庫や洗濯機、食器棚の幅や搬入
住宅の引越しでよくあることが、
家財が「入らない」
というトラブルです。
各出入口の幅、階段や廊下幅をはじめ、階段の天井高さや廊下・階段の曲がり角・コーナーも荷物が通るかどうかを検証しておく 必要があります。注文住宅であれば、家具や家電の配置に関して、必ず家具や家電の寸法を設計士に伝えておきましょう。
※住宅の各部の寸法についてはこちらで詳しく解説しています↓↓↓
建売住宅や中古物件を購入する場合は、廊下や階段といった搬入経路に問題がないかを確認してください。
特に、2階にLDKがある場合は注意が必要です。
冷蔵庫や洗濯機といった大きな家電、食器棚やタンス、そしてベッドマットは要注意です。
搬入経路が狭い場合、最も困難なものが大型冷蔵庫です。
冷蔵庫を玄関から搬入し、階段を抜けて上階のキッチンに運ぶことができるのか、
また、それが困難な場合には、ユニック車やレッカー車などでベランダへ吊り込んで搬入することもあります。
ユニック車で吊りこむ場合は、別途、数万円程度の費用がかかることになるので、ちょっとした痛手です。
また、このような場合でも、吊り込み口付近に電線などの障害物があり搬入ができないこともよくあります。
そのため、新居で使う大きさの冷蔵庫を搬入するために、設計を見直すことも必要となります。
階段幅やドアの開口幅、階段の天井高さなどが簡単に修正できれば良いのですが、その為だけに大きく設計を見直すことになると、結構な手戻りになります。
大きな家具や家電は、設計士に搬入計画をたてているか確認して進めましょう。
階段手すりの取り外し
引越し屋さんにもよりますが、引越しの際に階段の手すりを外すことがあります。
階段の手すりは建築基準法でも定められている安全上とても重要なものです。
それゆえ、階段の手すりは完成時にはかなり頑丈に取り付けてありますが、引越しが終わるとぐらついているというトラブルがあります。
できれば、手すりは外すことなく引越しができないか引越し屋さんに確認してみましょう。
また、手すりを外す必要がある場合には工務店に取り外しと再取り付けをお願いしてみてください。
なお、建築基準法の完了検査では手すりがきちんと付いていないと、検査に合格できないことが多いものです。
しかし、行政や検査機関によっては、手すりの材料自体が置いてあれば、取り付くものとして扱ってくれる場合もありますので、確認しておくと良いでしょう。
エアコン取り付けの際の注意点
工事にエアコンが入っていない場合は引渡し後に、自ら電気屋さんにエアコン取り付けをお願いすることになります。
エアコン取り付けでは、エアコンの配管用の穴あけが必要になるため、構造体である大切な筋交い(すじかい)を切ってしまわないよう「筋交い」の位置の確認は要注意です。
エアコン配管用の穴は、通常はエアコンによって穴の場所が異なるという理由から、工事では開けてくれません。
そのため、工事と無関係の電気屋さんに外部に貫通する穴を開けてもらう必要があるのです。
最近は、構造用合板などの「面」で設置する耐力壁が多くなっていますが、もちろん筋交いもよく使われています。
電気屋さんでも、筋交いなどの構造部材を傷付けないためにレーダーや針などで下地調査をしてから穴を開けますが、まれに調査を怠って「筋交いを切断」してしまうことがあります。
家の構造が筋交いを採用している場合は、電気屋さんには念の為、筋交いなどの構造部材に注意するよう指示して、さらに「構造図面」を渡しておきましょう。
筋交い以外にも柱や間柱も傷付けられる事例はあります。
ちなみに、構造用合板でも穴を開けることで欠損にはなりますが、合板1枚につき1つの穴であれば、
✧合板の端から100mm以上離す
✧直径100mmまでの円形の穴
であれば、構造耐力的に問題はありません。
また、エアコンの取り付けには木の下地が必要です。
室内の内装は通常は石膏ボードですが、石膏ボードには強度がありませんので、石膏ボードだけに取り付けると、エアコンの重さでそのうち落下するおそれがあります。
石膏ボードだけでなく、柱や間柱にビスなどにも取り付け、石膏ボードだけの部分にはボードアンカーで取り付ける必要があります。
工務店によってはエアコンの場所にあらかじめエアコン用の木下地を設けることもありますので、設計の時に確認しておきましょう。
家具と設備の干渉
上部に設置する設備機器と背の高い家具が干渉してしまうこともよくあります。
上部に設置する設備は、エアコン、24時間換気の吸気口、煙感知機、カーテンレールなどもありますね。
これらのものが背の高いタンスなどの家具に干渉してしまうことがあります。
間取り図面では、家具を配置する場所の上部の設備の高さにも注意しておきましょう。
もちろん、家具の後ろに普段使うコンセントが隠れることも無いように注意しましょう。
引越し前に工事が全て完結しているか
引越しは、当然ながら引き渡しを受けてからです。
引越しの日が決まっている場合は、必ず引き渡し前には建築基準法の完了検査やその他の必要な検査に合格しており、なおかつ、工事が全てあなたが納得して終わっている必要があります。
※引き渡し前の注意点はこちらをご覧ください↓↓↓
とはいえ、工事でミスや手直しがあり建築基準法の検査には合格しているものの、引越し後にも軽微な工事が発生することもあります。
その場合には、引き渡しは受けるが残工事を必ず行うという旨の念書などを貰っておくことも必要です。
まとめ~引越しの時期の注意点
住宅の計画では中に入れる家具や家電をよく考えておく必要があります。
それらの配置はもちろんのこと、引越しの際の搬入計画もとても重要なんですね。
せっかくの新築に家財が入らなければ、なかなかのショックです。
そして、引越しの時期も重要です。2月中旬~4月上旬は引越しの繁忙期です。
特に、3月の引越し代金はかなり高騰し、普段の2倍以上になることがあり何十万円となることも少なくありません。
そもそも予約がいっぱいで断られることもありますので、要注意です。
引越し難民にならないように、余裕をもって引越し業者を探して相談しておきましょう。
また、可能であれば、引越し自体が繁忙期にならないように引渡しの時期をずらすことも検討しましょう。
※noteでも家づくりのコラムや記事を執筆していますのでまたお読みくださいね⇒takumiのnote
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