注文住宅を計画する手順・流れ~土地や業者を探し、ローン・資金計画を立てる~

こんにちは。

一級建築士のtakumiです。

 

いざ家を建てることが決まっても、いったい何から始めたら良いのか分かりにくいものです。

住宅の建築には「土地探し」「業者探し」「融資先探し」がありますので、これらを決めるところから始まります。

全てをあなたが探す必要はなく、例えば不動産屋が工務店や銀行を紹介する場合もあります。

まずは、家づくりの基本的な「流れ」を把握しておき、準備していきましょう!

注文住宅を建てる土地探し~不動産屋をチェック~

土地がない場合には、家を建てようと決まったら、まずは土地を探すことです。

地域や時期にもよりますが、気に入る土地が見つかるまでには数ヶ月から1年以上かかる場合もあります。

土地を探すには、まずはネットや広告のチェックを始めながら、不動産屋に足を運びましょう。

しかし、不動産屋といってもピンキリです。

1箇所だけでなく、住みたい地域の不動産屋をいくつか回ってみて、「相性の合う」不動産屋を見つけることが、気に入る土地を見つける近道になります。

不動産屋は、地域に根ざした不動産屋と大手の不動産屋があります。

物件の中には広告していない物件もありますので、複数の不動産屋に声をかけておくことが望ましいです。

土地を選ぶ要素としては、住みやすい土地、買い物や交通の利便性、通勤や通学の距離など、色々な要素がありますが、

一番大切なことは、土地の安全性です。

どれだけ便利で見た目に良くても、災害に弱い街・弱い土地、というものがあります。

人気や利便性だけで選ばずに、土地の安全性を十分見極めて土地を選ぶようにしてください。

自然災害から学ぶ住宅の土地探し~安全な土地とは?~

住まいの土地探しはどんな基準で選ぶべきなのか?~安全で住みやすい土地をさがす~

また、資産として建物は年々価値が下がる一方ですが、土地の価値は下がることもあれば上がることもあり、うまく購入すれば買った時よりも高くなる場合があります。

一生住む土地であれば、そこまで考えることもありませんが、将来住み替えをお考えであれば、

「値崩れしない」「価値が上がっている」土地(街)を選択する

といったことも視野に入れましょう。

不動産屋はその地域の実状に詳しいものです(詳しくない不動産屋では意味がありませんが)。

建築の業者選びや住宅ローン会社のことも相談できるところがあれば心強いものです。

ハウスメーカー(工務店)探し

住宅を建ててもらう業者探しも、色々なタイプ、パターンがあります。

どのようなデザイン・構造なのか、また予算にも関係してきます。

家づくりは、ビルダーや工務店、ハウスメーカーといった「設計・施工一括」の業者へ依頼することが多いのです。

しかし、こだわったデザインにしたい場合は建築家といった設計のプロである設計事務所へ依頼し、設計と工事が別々の業者と契約する場合もあります。

一般的には設計事務所は設計・施工一括である工務店やハウスメーカーに比べて、設計料は高くなります。

設計費は工事費の5~10%程度、工事監理費は工事費の5%程度といったところが相場ですが、様々です。

また、工事をきちんとチェックをする「工事監理者」は第三者で行うことが望ましいため、工事監理のみを別途契約することもあります(ハウスメーカーでは第三者監理は困難)。

予算やローン・資金の計画

土地・業者を探しながらですが、まずは資金計画を立てなければなりません。

自己資金で全て賄えないため住宅ローンを組むのであれば、いくら融資が可能なのか、いつ支払いがあるのか、といったことを確認しておく必要があります。

資金の計画

住宅ローンの融資額は、金融機関やお勤め先にもよりますが、一般的には年収の6倍~6.5倍と言われています。

また、総返済負担率というものがあり、

総返済負担率=(年間返済額/12)÷(世帯年収/12)

となっています。

月々の返済額が無理の無い金額かどうかを判断する指標となるものですが、30%までが住宅ローンの目安であり、この利率が少ないほど返済はラクということです。

一般的には、20%~25%に留めるように資金計画をする必要があります。

住宅ローンの流れ

銀行の融資は通常、土地の場合は土地の売買契約・引き渡し後、建物の場合は建物が完成してから融資がおります。

しかし、工事業者への支払いは、工事の着工時に支払う着工金、上棟時に支払う中間金、竣工時に支払う竣工金と、3回に分けて支払うパターンが多いのです。

そのため、「つなぎ融資」を受けなければ資金調達が難しい場合があります。

ただし、つなぎ融資の利息は高めです。

土地の購入費へ融資を充てる場合は、「土地先行融資」を使うことも検討しておきましょう。

また、土地購入時や工事の着工金、中間金入金が必要な際に、分割融資してくれる金融機関もありますので、金融機関は元より工事業者の営業や不動産屋にもアドバイスをもらいながら、それぞれの支払総額を比較して決めていく必要があります。

支払総額には利息総額の他、事務手数料保証料保険料(団体信用生命保険、火災保険など)、その他手数料などがありますので、ローンにかかる総額を比較しないと一概にどれが最良かは分からないということです。

また、自己資金はある程度必要になります。

土地購入の頭金や工事の着工金、その他の諸経費は自己資金で支払う場合が多いため、総費用の10~20%を自己資金と考えておきましょう。

土地探し、建築業者探し、ローンの相談は並行して行う事が望ましいです。

複数の金融機関にもローンの相談・事前審査を申し込み、可能性のある金融機関へ土地購入費用と建築費用の融資の相談を進めておかないと、気に入った土地が見つかり、業者も決まったのに融資が上手くいかないということもあります。

以下が一般的なローンの流れ(つなぎ融資の場合)となります。

※実際の融資方法や工事業者への支払いは金融機関、工事業者により異なります。

ローンの流れ(つなぎ融資の一例)

■住宅ローンの仮審査

■土地の売買契約~頭金の支払い
・土地の所有権移転登記

■金融機関で住宅ローンとつなぎ融資の申請

■つなぎ融資の審査後~融資金で土地代残金の支払い
・住宅の設計~地盤調査

■工事業者と工事請負契約を締結
・建築確認済証~住宅ローン本審査

■工事の着工~つなぎ融資で着工金の支払い

■工事の棟上げ等~つなぎ融資で中間金の支払い

■工事の完了
・登記の設定~建物表題登記・所有権保存登記・抵当権の設定登記

■住宅ローンの融資実行
・住宅ローン融資金で工事費の残金支払い
・住宅ローン融資金でつなぎ融資を完済

住宅ローンの注意点

ここで注意が必要なのは、設計や工事監理が別途の契約の場合です。

設計や工事監理を建築士事務所に依頼する場合にも融資の対象となる場合がほとんどですが、金融機関にはその旨相談しておきましょう。

住宅ローンは金融機関によって種類・タイプも異なり、さらに自己資金でも支払総額は変わってきます。

住宅ローンは金融機関からの融資ですが、不動産屋や工事業者の営業担当で住宅ローンをよく把握していて、全体をコーディネートしてくれる者がいると頼りになります。

住宅購入での諸費用・手数料

土地代や建築費用以外にもいろいろな諸費用・手数料がかかってきます。

一般的には諸費用・手数料は物件価格の約5~10%程度といわれておりますので、結構な負担がかかります。

住宅ローン関係費用

住宅ローンは金利手数料だけでなく、事務手数料や保証料が必要です。

高額なのは保証料です。

保証料はローンの返済が滞った場合、保証会社が立て替える(代位弁済という)ための費用となります。

団体信用生命保険はローンを借りている人が万が一の時に後の返済を免除される保険ですが、多くの銀行ではローンを借りる場合に加入の義務付けがあり、保険料は利息が充てられるため無料です(フラット35を除く)。

■住宅ローン事務手数料

税込約33,000円程度(ネット銀行は借入額の2%程度)

■住宅ローン保証料

借入額1,000万円あたり20~30万円(融資期間、融資金額によって変わります)

■団体信用生命保険料

銀行は無料(フラット35は年間10万円程度)

■火災保険料

年間1~2万円

■つなぎ融資の手数料

・利息借入金の2%程度または10万円程度

登記関係の費用、仲介手数料

「登記」は、土地や建物を購入した際に、登記簿に登録する手続きのことです。

住宅ローンを借りる時にも登記は必要です。

勉強すれば自分ですることもできますが、専門的ですので司法書士に依頼することが一般的です。

その報酬や税金がいろいろとかかります。

■建物表示登記

土地家屋調査士への報酬で5万円~10万円程度(登録免許税は不要)

■登録免許税(抵当権設定)

借入金の0.4%(軽減税率0.1%:平成32年3月3日まで)

■登録免許税(建物の所有権保存登記)

建物評価額の0.4%(軽減税率0.15%:平成32年3月3日まで)

■登録免許税(土地の所有権移転登記)

土地評価額の2.0%(軽減税率1.5%:平成32年3月3日まで)

■司法書士への報酬

10~15万円程度

■その他費用

不動産屋への仲介手数料(報酬)の支払いです。計算方法は土地の価格の3%+6万円です。

登記以外の税金関係

・登記以外では印紙税が必要です。印紙税は契約が成立した際に発生する税金で、契約書に添付します。

・不動産取得税は不動産を購入した際に発生します。

・また、毎年1月1日現在に固定資産を所有している人を対象に固定資産税・都市計画税が課せられます。

これらはどちらも、土地と家屋が課税対象となり、都市計画税は都市計画法の市街化区域内の土地と建物が課税対象となります。

■印紙税(売買契約時)
契約金が1,000万円超~5,000万円以下で1万円

■印紙税(住宅ローン申込時)
契約金が1,000万円超~5,000万円以下で2万円

■不動産取得税
土地・建物ともに評価額の3%

■固定資産税および都市計画税
固定資産税は評価額の1.4%
都市計画税は評価額の0.3%

まとめ

土地の購入、住宅の建築には購入費用以外にも色んな諸費用が必要です。

購入費用以外にかかる費用が結構な出費となり、思っていたよりも総支払額がかかってしまった、自己資金が不足して土地や住宅の価格を下げることとなることもあります。

注文住宅の計画では、まずは資金計画をして、土地や建物の価格を決め、住宅ローンが可能かどうかを確認しなければなりません。

住宅を建てることが決まればなるべく早めに土地探し、業者探しを始めるようにして、資金計画を詰めていく必要があるんですね。

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